カリフォルニアの「2045年ゼロカーボン電力」を阻む「これだけの課題」
California’s Green Dream
コンサルティング企業エナジー・プロフェッショナルズのジム・マザーズCEOは、AI(人工知能)データセンターとEV(電気自動車)の普及によりカリフォルニア州のエネルギー需要は急増する見込みで、全米の供給量を既に上回りつつあると指摘する。
「EVにより全米で負荷要件が大幅に増えていること、従来のデータセンターの100倍のエネルギーを必要とするAIデータセンターの稼働が始まること、日常のさまざまな電気製品により総体的な電力需要が増加することから、アメリカ全体でピーク時の負荷に対応できる発電量が不足する見通しだ」
マザーズはさらに、カリフォルニア州の電力網の「安定化にはエネルギー貯蔵に対して想像を超える投資が必要」であり、「30年までに再生可能エネルギーの割合を60%に引き上げるという知事の目標達成にとって深刻な障害になるだろう」と述べる。
カリフォルニア州の電気料金は1キロワット時当たり34.31セントと米本土で最も高い(スタティスタの最新データでは近隣のオレゴン、ネバダ、アリゾナ州は15セント、13セント、12セント)。
政治情報サイトのポリティコの推計によると、カリフォルニア州の光熱費は過去10年で2倍以上に高騰しており、再生可能エネルギーへの投資や、送電設備の発火が山火事を引き起こすリスクの軽減など、気候変動対策コストが「一因」と考えられる。