カリフォルニアの「2045年ゼロカーボン電力」を阻む「これだけの課題」
California’s Green Dream
スタンフォード大学の大気・エネルギープログラムの責任者を務めるマーク・ジェイコブソン教授によると、カリフォルニア州で「無駄になる」太陽光発電の電力量は、24年分だけで同州にある「ディアブロ・キャニオン原子力発電所の設備容量2200メガワットの4分の1が必要なくなる量」に相当する。
ジェイコブソンは「電力網の蓄電容量を増やす」ことと、余剰電力を「低温の熱に変換して水タンクや土壌に蓄え、建物の暖房に利用する」ことも提案している。
州の電力システムを監督するNPO「カリフォルニア州独立系統運用機関(CAISO)」は、再生可能エネルギーへの移行によって同州では「近い将来、1日のうちの特定の時間帯や1年のある期間は再生可能資源が余るようになる」と本誌に述べた。
ただし、州内で生産されたグリーンエネルギーの余剰分は近隣の州に送電されており、米西部の広範囲で温室効果ガスの排出削減につながるとも付け加える。
州知事執務室の報道官によると、州のエネルギー貯蔵容量は「19年の770メガワットから現在は1万3300メガワット以上へと増えている」という。これは州が予測する必要量5万2000メガワットの4分の1に相当するもので、「さらに多くのエネルギーを捕捉・貯蔵できるように取り組んでいる」。