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古民家がレストラン・サウナに! 動き出した「沿線まるごとホテル」の里をつづる中核施設「Satologue」とは?

2025年1月10日(金)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

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「Satologue」を創り上げた地域の人たちとの集合写真 ©︎Daisuke Takashige

Satologueには、開業前から多くの人が携わっている。かつて養魚場として使われ荒れ果てていた外構はJR社員が草むしりから行って整備し、生態系が自然と集まるビオトープに再生。都心から奥多摩へ移住してきた若手シェフがいる一方で、マネージャーとして地域のおじいちゃん・おばあちゃんも運営の一端を担っている。現在は2025年春の宿泊棟開業を目指し、改修工事を実施中だ。

また「移動そのもの」が地域を体感できるコンテンツだとする考えの下、モビリティツーリズムの旅も提供している。無人駅である青梅線鳩ノ巣駅発着で、環境にやさしい新型モビリティの電動トゥクトゥクや電動アシスト自転車をレンタルし、奥多摩の見どころを巡ることができるというものだ。

2040年には全国30沿線に展開することを目指して

このプロジェクトは第7回ジャパン・ツーリズム・アワード(2023年)で最高賞の「国土交通大臣賞」を受賞。あわせて「学生が選ぶジャパンツーリズムアワード賞」も受賞し、地域コンテンツを魅力的に体験できる取り組みとして高く評価されている。

「イベント等で1万人が1回来て終わるのではなく、同じ1万人でも100人が100回来訪してもらう沿線集落を目指しています」と、会田氏は語る。2040年には、同じ課題に直面する全国過疎高齢化地区30沿線で同プロジェクトを展開することを目標にしているという。

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駅から宿泊先までの田舎道も「ホテル」の一部。地域住民がキャストとなって魅力を案内してくれる

コロナ禍で落ち込んだ観光需要がほぼ完全復活した今、有名観光地は旅行者であふれ返っている。これに伴い、オーバーツーリズム(観光公害)が問題視されるようになった。2023年10月には、観光庁が「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」を発表。観光需要を分散・平準化させるべく、地方部への誘客を推進する意向やそのための対策を示した。

旅行者の志向にも変化が見られ、ローカルな地域でのんびりと旅行を楽しむアンダーツーリズムのスタイルも浸透してきている。こうした旅行トレンドの変化を追い風に、同社はSatologue開業という具体的な一歩を踏み出し、奥多摩本来の循環型地域づくりに向けて大きく前進している。青梅線沿線での取り組みは、地域の魅力を再発見しながら経済を活性化させる持続可能な地方創生モデルとして高く評価できる。

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