サブスク・レンタルで「捨てるを減らす」...レンティオが推進する「新しい消費体験」とは?
また、環境負荷削減のため、発送時に同梱していた着払い伝票などの書類を2022年7月に廃止し、年間で紙資源約21万枚とプラスチック資源約12万4000枚を削減した。返却などの手続きはすべてウェブ上で完結できるシステムを構築し、顧客体験を落とすことなく、サステナブルな流通を加速させている。
取り扱う商品も、従来の家電に加え、ベビー用品や家具、ファッションなど、幅広い分野に拡大している。ジャンルを広げたことで、各商品のメンテナンスには多岐にわたる専門性が必要となったが、メーカーや着物のクリーニング事業者などと連携し、マニュアル化を進めることで、高度なメンテナンス体制を整えている。
さらに、最近では家電を中心としたメーカーとの連携も強化しており、レンティオへの商品展開や、メーカー独自のサブスク・レンタルサービス展開の支援も行っている。メーカーに対し、消費者に「試してもらう」という選択肢があると提唱することで、廃棄を減らす意識を高め、業界の枠を超えて取り組みを広げようとしている。
2022年のデータによれば、世界の電子ごみは6200万トンに達し、2010年から82%も増加した。適正に処理されずに発展途上国に輸出されるごみも多く、グローバルな対策が早急に必要だ。「所有から利用へ」という価値観が広がりを見せるなか、レンティオは消費者の行動変容だけでなく、産業全体の持続可能性を促進している。循環型社会の実現に向け、同社が果たす役割は今後ますます大きくなるはずだ。