「ワキ汗」は健康の問題、ひとりで悩まないで──ジェイメックが続ける啓発活動
ワキ汗のイメージ画像 siam.pukkato-shutterstock
<医療機器メーカージェイメックは、多くの人が悩む「ワキ汗」が治療可能であることを啓発し、人々の健康やQOLの向上を推進している>
世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。
「人間関係にも影響する」深刻な問題
「すべての人に健康と福祉を」というSDGs目標3は、途上国だけの課題と認識されがちだが、先進国も目を背けてはならないものだ。新型コロナウイルスなどの感染症や、うつ病や不安障害など心の病、医療・福祉の人材不足など、先進国にとっても問題は多方面に及ぶ。
そうした中で、美容医療のリーディングカンパニーである株式会社ジェイメックが取り組んでいるのが「ワキ汗」の問題だ。
「ワキの汗ジミで人目が気になる」「緊張するとワキから汗が流れて不快」など、ワキ汗の悩みを抱える人は多い。
ワキ汗が多く出る症状は「原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)」という病気の可能性があり、日常生活に支障をきたす場合もある。たかがワキ汗と軽視できるものではなく、日本国内では約530万人の患者がいると推定される。
ジェイメックが今年3月に行った意識調査では、「自分のワキ汗が気になる」と答えた人は約54%に上る。また「ワキ汗や汗のにおいが、人間関係にも影響すると思う」と答えた人は約77%と、多くの人にとってこの問題は深刻だ。
汗やにおいといったデリケートな問題のため、人には相談しづらく、ひとりで抱えてしまいがちだ。
ジェイメックのデジタルマーケティング課の佐藤なな子氏は、ワキの多汗症について「飲み薬や塗り薬、手術など、様々な治療法があります。しかし、病院で治療できることは広く知られておらず、医療機関への受診率は6%程度に過ぎません」と話す。
別の調査では、ワキ汗が多いことで希望の職種を諦めるなど、学業や仕事への影響も報告されている。また、周囲からの理解が得られていないと感じている人は、4割にも上るという。
「ワキ汗はQOL(生活の質)を著しく損なう疾患」であると佐藤氏は指摘し、社会全体での理解を深める必要性を強調する。