最新記事
SDGsパートナー

廃棄予定だった酒粕を「プロテイン」にアップサイクル...社会問題を「美容と健康」で解決するハリウッドの好循環

2024年9月11日(水)13時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー
「ソイプロビューティSAKE」のイベント

「ソイプロビューティSAKE」のイベントにて。左からハリウッド株式会社代表の牛山大輔氏、商品開発のSHUJI氏、MCをつとめた「京都観光おもてなし大使」頭川展子氏、佐々木酒造社長の佐々木晃氏

<SDGsが注目される以前から、積極的に環境問題に取り組んできた基礎化粧品メーカーのハリウッド株式会社。プロテイン「ソイプロビューティSAKE」は、廃棄予定だった酒粕を使用し、食品ロス削減と日本人の食の問題に寄与する製品となっている>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや商品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えに基づいてニューズウィーク日本版は昨年に「SDGsアワード」を立ち上げ、今年で2年目を迎えました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇

現代日本人が抱えるたんぱく質不足を解決するためのプロテインを開発

ハリウッド株式会社は1925年の創業後、基礎化粧品開発を中心におよそ1世紀にわたって日本の美容業界を牽引してきた企業だ。インナービューティーにも着目し、国内でいち早く健康食品事業も展開してきた。

そうした中で、日本人のたんぱく質摂取量が戦後間もない時代と同水準まで低下しているという現代人の食生活の問題を解決すべく、2013年にプロテイン製品の開発に着手。2020年に完成したのが、プロテインブランド「ソイプロビューティ」だ。

香料を使わず、おいしく老若男女ともに健康的で続けやすいものであること。なおかつ、栄養価が高く、日本古来の伝統的な食材を原料にするなど、素材にもこだわっている。

佐々木酒造の日本酒「聚楽第」の酒粕

「ソイプロビューティSAKE」の原料となっている、佐々木酒造の日本酒「聚楽第」の酒粕

2023年9月に発売された「ソイプロビューティSAKE」は、京都にある佐々木酒造の日本酒「聚楽第」からとれる酒粕を使用。「京の琴」という芳醇な香りを持つ、栄養価の高い酵母が特徴だ。

「古代から日本人の健康的な生活に寄与してきた酒粕の栄養はもちろん、佐々木酒造のこだわりの酵母からつくられた風味によって、甘酒のように子どもでもおいしく飲むことができる商品にすることができました。美容に特化したプロテインなので、まずは女性に手にとっていただき、そこからご家族の健康へと繋がることを目標にしています」と、商品開発を担当するSHUJI氏は語る。

食品ロスになっていた酒粕を栄養と味で両立...プロテインにアップサイクル

「ソイプロビューティSAKE」に使われている酒粕は、これまで大半が破棄されていたものだ。そのため、プロテインの素材としてアップサイクルすることで、食品ロスの削減にも貢献する製品となっている。

「現在も佐々木酒造の佐々木社長と協力して、この商品の特性やアップサイクルの取り組みを伝えるためのイベントやワークショップなども行っています」と、SHUJI氏は話す。製品化の後にもアップサイクルの概念を広める活動を行うなど、「つくる責任」も徹底している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均2カ月ぶり4万円、日米ハト派織り込みが押し

ワールド

EU、防衛費の共同調達が優先課題=次期議長国ポーラ

ワールド

豪11月失業率は3.9%、予想外の低下で8カ月ぶり

ワールド

北朝鮮メディア、韓国大統領に「国民の怒り高まる」 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国 戒厳令の夜
特集:韓国 戒厳令の夜
2024年12月17日号(12/10発売)

世界を驚かせた「暮令朝改」クーデター。尹錫悦大統領は何を間違えたのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達した江戸の吉原・京の島原と並ぶ歓楽街はどこにあった?
  • 3
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 5
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 6
    ノーベル文学賞受賞ハン・ガン「死者が生きている人を…
  • 7
    韓国大統領の暴走を止めたのは、「エリート」たちの…
  • 8
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 9
    「糖尿病の人はアルツハイマー病になりやすい」は嘘…
  • 10
    統合失調症の姉と、姉を自宅に閉じ込めた両親の20年…
  • 1
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 2
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、妻の「思いがけない反応」...一体何があったのか
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    国防に尽くした先に...「54歳で定年、退職後も正規社…
  • 6
    朝晩にロシア国歌を斉唱、残りの時間は「拷問」だっ…
  • 7
    「男性ホルモンが高いと性欲が強い」説は誤り? 最新…
  • 8
    男性ホルモンにいいのはやはり脂の乗った肉?...和田…
  • 9
    人が滞在するのは3時間が限界...危険すぎる「放射能…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 9
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中