インドの農家と一緒に、種から始まるオーガニックへの取り組み、スタイレム瀧定大阪の「ORGANIC FIELD」
繊維専門商社が挑む、サスティナビリティな事業活動
スタイレムは1864年の創業以来、テキスタイル・アパレル製品・ライフスタイル・マテリアル事業の4つの事業分野で、国内外に展開。特に、原料・生地に関しては幅広いネットワークを構築しており、日本国内だけでなく世界中のマーケットに向けて価値提案を行ってきた。
繊維・アパレル産業に関わる企業として、サスティナブルな事業活動への想いは強い。これまでもポリエステル繊維を培地としてリサイクルする「PLUS∞GREEN PROJECT」等、様々な取り組みを行っており「ORGANIC FIELD」も数ある取り組みの一つだ。
彼らの活動は、現地の会社と密接に結びついて行われる。インド企業のNSL社とパートナーシップ協定を結び、1年目のイン・コンバージョンから支援を行うことで、現地でスムーズにプログラムを実施する体制を築いた。
2021年に開始され、今年で3年目。このプログラムで生産されたコットンが商品として販売されるタイミングである。まさに2023年の夏から「ORGANIC FIELD」を使った靴下がこのプログラムに賛同した企業によって販売されている。
ようやく「ORGANIC FIELD」で作られたコットンが市場で実を結んだ今、これからの目標について同社は「日本だけでなく15カ所に及ぶ海外拠点と連携し、世界中に『ORGANIC FIELD』の認知拡大を図り、共に持続可能なサプライチェーンを作っていく取り組みを広げたいと考えています」としている。
たとえ環境に配慮した取り組みであっても、その過程が現地の人々にとって大きな負担になり得るという側面は見落とされがちであり、それでは継続的に取り組みを成功させることはできない。この「移行期」を支援することは、「誰一人取り残さない」を原則にした SDGsの理念にかなった、世界が注目するべき取り組みと言えるだろう。