外国語を話すとなぜパニック発作がおさまるのか?...「母語以外でクヨクヨできない」
ウィンドウズやリナックス、マックなどのOSがインストールされていないパソコンが何もできないのと同様に、わたしたちも内部の画像と対話がなければ考えることはできません。この場合、見ることは聞くことよりもはるかに普遍的です。
画像はほとんどの場合、さまざまな文化でそのまま理解されますが、言語のほうは通常の言語領域を離れるとすぐに限界に突き当たります。
しかし、外国語のトリックがうまく機能したのは、まさにこのためなのです。落ち込ませるような思考と母語との結びつきが強ければ強いほど、別の言語で考えることによって抑うつ状態から抜け出しやすいからです。
つまり、わたしたちの脳は落ち込みや不安をそのまま外国語で言葉にすることに慣れていないのです。
クラウス・ベルンハルト(Klaus Bernhardt)
臨床心理士。科学・医療ジャーナリストとして活躍後、心理学、精神医学を学ぶ。現在、不安症やパニック発作の専門家として、ベルリンでカウンセリングルームを開設。最新の脳科学に基づいた画期的療法「ベルンハルト・メソッド」はドイツで注目を集めている。脳神経科学教育マネジメント協会(AFNB)会員。前著『敏感すぎるあなたへ 緊張、不安、パニックは自分で断ち切れる』(CEメディアハウス)はドイツで大ベストセラーに。
『落ち込みやすいあなたへ 「うつ」も「燃え尽き症候群」も自分で断ち切れる』
クラウス・ベルンハルト[著) 平野卿子[訳]
CEメディアハウス[刊]
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