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週に75分の「早歩き」で寿命は2年延びる...スーパーエイジャーが実践する「長寿体質」の習慣

2025年2月14日(金)10時25分
ニール・バルジライ (アルバート・アインシュタイン医科大学教授)

運動を始めるのに遅すぎることはないが、運動をする習慣がまだない場合は、ゆっくりと始めなければならない。やろうとしている運動について、まずは主治医に相談し、60%の力で始めてみて、そこからゆっくりと増やしていこう。

どれぐらい運動したらいいかについては、まだわかっていない。


 

カロリー制限の場合、ある程度カロリーを制限すると寿命が延びるが、カロリーをすべて制限すると死んでしまう。それと同じように、目標に達するのに最適な範囲を見つける必要がある。ある人にとって最適な運動の種類や量は、他の人にとっては有害かもしれない。人はそれぞれ違うからだ。

高齢者にはたいてい、少なくとも25分間の運動を週に3〜5回するよう勧めている。それが絶対正しいという証拠はないし、間違っているという証拠もない。高齢者一般への妥当な提案というだけだ。個々に提案するときは、運動の回数を増やすようにとか、時間を長くするようにと言うこともある。

詳細は明らかではないが、運動が健康寿命に不可欠であり、運動によって80歳過ぎまで元気でいられる可能性が高まることがわかっている。若者にとっても高齢者にとっても、運動はどんな食事療法よりも効果がある。
 
65万人以上の人々を約10年にわたって追跡した研究の報告によると、週に75分の速歩きのような適度な運動によって、寿命がほぼ2年延びるという。また、週に平均2時間半から5時間の運動をする人は寿命が3年半長く、1日1時間運動する人は4年半長かった。

とはいえ、これは観察研究もしくは関連研究なので注意してほしい。ひょっとすると、運動した被験者の老化が遅かったのは、運動ができたからかもしれない。また、健康的な食事やサプリメント療法のおかげで長生きした人がいたかもしれない。

このように、わたしは運動が大事だと思っているものの、科学者としては、この研究報告における寿命の差が間違いなく運動の結果であるとは言えない。それでも、毎日運動しているのはたしかだ。そして妹のネッタの家を訪れる日は、彼女のおいしい料理をがまんできないので、いつも以上に運動するようにしている。

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