最新記事
リーダーシップ

睡眠不足の上司は部下に当たり散らし、心を落ち着かせている...「仕事と睡眠」の驚きの関係

2024年12月26日(木)06時40分
若杉忠弘(グロービス経営大学院教授)

この分析によれば、睡眠時間が上位20%の企業は下位20%の企業よりも利益率が1.8~2.0%程度高かったのです。利益率を1%改善するのにどれだけ企業努力が必要かを考えれば、睡眠の効果ははかり知れません。

そう、「果報は寝て待て」だったのです。睡眠をしっかりとることは、リーダー自身の健康のためだけに重要なわけではありません。メンバーの健康と仕事のパフォーマンスを高め、企業に貢献する重要な要素です。


すぐれたリーダーほど自分にやさしい
すぐれたリーダーほど自分にやさしい
 若杉忠弘 著
 かんき出版

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


若杉忠弘
グロービス経営大学院教授(リーダーシップ・組織開発など)。東京大学工学部・大学院を経て、外資系コンサルティングファームBooz Allen Hamilton(現PwCコンサルティング)に入社。経営コンサルタントとして活躍。企業の経営戦略策定、組織開発、変革実行支援に従事。

その後渡英し、ロンドン・ビジネス・スクールでMBAを取得。イギリスでは教育ベンチャーの立上げに参画。帰国後、グロービスで英語MBAプログラムのディレクターや英語オンラインMBAの設立などにかかわってきた。

仕事をする傍ら、一橋大学大学院に入学。経営学を研究するなかで、「セルフ・コンパッション」に出会う。当時、リーダーの役割を息苦しく感じ、「自己犠牲をしながら、成果を出さなければならないのか」と悶々とする日々だったが、セルフ・コンパッションから「自分へのやさしさが強さを育む」ことを学び、苦況を抜け出す。この経験をきっかけに、日本のビジネスパーソン1800人を対象に、組織におけるセルフ・コンパッションの調査と実験を繰り返し、研究にまい進。その研究成果が評価され、同大学院にて経営学博士を取得。

世界のセルフ・コンパッション教育をリードするアメリカの「センター・フォー・マインドフル・セルフ・コンパッション」で講師資格を得て、日本におけるセルフ・コンパッションのエバンジェリスト(伝道師)としても活動している。本書が初の著書となる。


ニューズウィーク日本版 トランプショック
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月22日号(4月15日発売)は「トランプショック」特集。関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、中国企業3社を制裁リストに追加

ワールド

トランプ米大統領の優先事項「はっきりしてきた」=赤

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 少なくとも30人死

ワールド

米がウクライナ和平仲介断念も 国務長官指摘 数日で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 5
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 6
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 7
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 8
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 9
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 10
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中