定説「赤身肉は心臓に悪い」は「誤解」、本当の悪者はその隣にいる【心臓外科医が提唱】
赤身の肉は飽和脂肪酸の塊。心臓の病で死にたくなければ食べるべきじゃない? AINATC/ISTOCK
<飽和脂肪酸を多く含む赤身の肉は「健康によくない」、悪玉コレステロールが増え、心臓発作や脳卒中を起こしやすい――という従来の定説を覆す>
心臓の病で死にたくなければ赤身の肉(つまり飽和脂肪酸の塊)はできるだけ食べるな。私たちはそう教わってきたが、これに異を唱える医者がいる。心臓外科医のフィリップ・オバディアだ。
「私の食べるものの大半は動物性タンパク質。つまり肉と魚介、そして卵と乳製品だ」と、彼は言う。ただし調味料やタマネギ、ニンニクは使うし、たまにアボカドも食べる。
オバディアによれば、赤身の肉が心臓に悪いというのは「とんでもない誤解」だ。飽和脂肪酸を多く含む赤身の肉を常食していると血液中に悪玉コレステロールが増えて血管内にプラークがたまり、血流が阻害されて心臓発作や脳卒中を起こしやすい──というのが従来の定説だが、本当の悪玉は肉と一緒に食べる大量の「精製された炭水化物」だと、オバディアは言う。
「西洋風の食事では、どうしても肉と一緒に、精製された炭水化物や加工食品を食べてしまう。それが問題なのに、なぜか肉ばかりが悪者扱いされてきた。心臓病の根本原因であるインスリン抵抗性と炎症に対処するには、精製や加工をしていないホールフードを用い、炭水化物を減らすのがベストだ」