「朝の歯磨きは食前・食後?」 歯科医師・医師が教える毎日の正しい歯磨き習慣で腸内環境も改善する

2024年3月11日(月)11時46分
栗原毅(医師)栗原丈徳(歯科医師) *PRESIDENT Onlineからの転載

【歯みがき剤は量よりも使い方が大事】

使ってみて、よいと思ったらその歯みがき剤を継続して使うのはよいのですが、問題は歯みがき剤の使い方です。

歯みがき剤には発砲剤(泡の出る成分)が含まれているので、1分ぐらい磨いていると口の中が気持ちよくなってきます。

その気持ちよさにだまされないでほしいのです。

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Tamas Panczel - Eross- shutterstock

自分ではスッキリしたと思っていても、実際は口の中がネバネバしているということがあります。

ネバネバの正体はプラークなのですが、その段階でオーラルケアを終了してしまえば、歯周病予防にはなりません。

ですから、歯みがき剤はあまり付けすぎずに使うのがコツ。

歯科衛生士も、歯みがき剤はあまりつけないでみがきましょうと、アドバイスすると思います。意見が1つではありませんが、小豆大くらいの量でよいのではないかと思っています。

いずれにしても、オーラルケアで大事なのは、プラークを取ること。歯みがき剤は補助的なものだと思ってください。

いくら歯周病によい成分が入っているからといっても、それに頼ってケアをおろそかにすれば、歯周病予防にはなりません。

【むし歯予防成分「フッ素」をうまく取り入れよう】

なお、歯周病ケアに特化したものではありませんが、歯みがき剤でよく見かける成分があります。

それは「フッ素」です。最近、日本口腔衛生学会など4学会が、フッ化物(フッ素)配合の推奨される利用方法の声明を出しました。

それは6歳から成人・高齢者においては、フッ化物濃度1400~1500PPMを配合した歯みがき剤を、歯ブラシ全体に1.5~2cm程度つけてみがきましょう、というものです。

2017年3月、「フッ化物配合の歯みがき剤」のフッ化物イオン濃度の上限が1000PPMから1500PPMに引き上げられたので、フッ素の含有量が多い歯みがき剤を選びたい人は、1400~1500PPMのものを選びましょう。

フッ素はむし歯の予防に効果がある成分です。もちろん歯周病が心配な年齢の人でもむし歯のリスクはあります。

むし歯も歯周病同様、プラークコントロールが何より大事ですが、有効成分を確認し、うまく活用しましょう。

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