ダニエル・クレイグ版「007」完結作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観る前に押さえておきたい基礎知識
ボンドともに事件解決に臨むふたりの女性、パロマとノーミ。なかでも、リンチ演じる新キャラクターのノーミは、シリーズ初の黒人女性の00エージェント。これは『007』映画らしい国際情勢を反映した起用といえる。
これについて、本作でプロデューサーとしても携わるダニエル・クレイグは、以下のように語っている。
「近年の#MeToo運動が明らかにした問題について、ボンド映画の中で解決するのは難しい。かといって避けたくない。本作ではラシャーナだけでなく、アナ・デ・アルマス、ナオミ・ハリスといった素晴らしい俳優が強い女性キャラクターを演じている」
――Pen+『【増補決定版】007完全読本。』より
ときに東西冷戦を、ときにアフガニスタン侵攻を、ショーン・コネリー時代から連綿と続く007シリーズがこれだけ長い間、愛されてきたのは、その時代の現実を反映させてきたからなのだろう。
度重なる公開延期の末に、10月1日の日本公開が決定した『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』。時代とともに変化してきた007映画の新境地を、ぜひ劇場で確認してほしい。
Pen+(ペン・プラス)『【増補決定版】007完全読本。』
オールカラー、100ページ
CCCメディアハウス
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