風変わりでノスタルジック......世界で見つけたウェス・アンダーソン的風景10選
Accidentally Wes Anderson Around the World
ナガシマスパーランド(三重県桑名市)の白いジェットコースター @PAULHILLER/INSTAGRAM
<独特の映像世界そのまま──世界中に実在するアンダーソン的風景を集めたインスタ発のフォトブックが登場>
『グランド・ブダペスト・ホテル』『ダージリン急行』『ムーンライズ・キングダム』。ウェス・アンダーソン監督の映画は、すぐにそれと分かる。風変わりでノスタルジックなパステルカラーのレンズを通して人生を見ているようなイメージだ。
そんな独自の映像世界に魅せられたファンが、アンダーソン作品を彷彿させる実在の風景の写真を投稿するインスタグラムのコミュニティー「accidentallywesanderson」は、110万人以上のフォロワーを獲得。この人気を受けて、フォトブック『アクシデンタリー・ウェス・アンダーソン』も出版された。その一部をここで紹介しよう。
01 郵便局──ランゲル(アラスカ州)
アンダーソンの頭の中からそのまま出てきたように見えるが、映画のセットではない。ランゲル島の北端に位置するこの町では、郵便物の配達を行っていないこともあり、約2500人の住民はこの郵便局を訪れるのが大好きだ。
02 ロバーツ・コテージ──オーシャンサイド(カリフォルニア州)
過去を表すピンク色は、アンダーソンが映画の中で使う「視覚的言語」の1つ。ヤシの木の並木を背景に三角屋根の貸しバンガローが立ち並ぶこの風景は、古きよき時代のカリフォルニアを思い起こさせる。かつてこの海辺の町では、「オーシャンサイドで生きがいのある人生を」という標語で人々に移住を促していた。
03 ラ・カーサ・ミニマ──ブエノスアイレス(アルゼンチン)
ブエノスアイレスで最も狭いこの家には、アンダーソン独特のユーモアと奇妙さが感じられる。幅約2.5メートル、奥行約13メートルの家にどうやって人が住めるのか、想像力を働かせて考える必要あり。ガイド付きツアーもあるが、フォトブックには「長時間滞在できるとは思わないほうがいい」と書いてある。
04 ビカのケーブルカー──リスボン(ポルトガル)
リスボンには今も現役で活躍中のケーブルカーが3路線あり、パステルカラーの民家や石畳の通りを行く姿は、アンダーソン映画の1シーンのよう。まるで過去にタイムスリップしたかのような感覚に襲われる。
05 ホテル・オペラ──プラハ(チェコ)
第2次大戦期の東欧にあったという設定の「グランド・ブダペスト・ホテル」はアンダーソンの想像の産物だが、そっくりさんに泊まることは可能だ。プラハの「新市街」にあるホテル・オペラは、ピンク色の輝くネオルネサンス様式の正面外観で今も宿泊客を歓迎している。