風変わりでノスタルジック......世界で見つけたウェス・アンダーソン的風景10選
Accidentally Wes Anderson Around the World
06 グリーンポイント灯台──ケープタウン(南アフリカ)
少年と少女の逃避行を描いた『ムーンライズ・キングダム』の舞台、架空の島ニューペンザンスには赤と白の灯台が立っている。南アフリカのケープタウンの海岸沿いにも同じような縞模様の灯台がある。1824年に運用を開始した同国最古の灯台で、今も「現役」で活躍を続けている。
07 アンベール城──ラジャスタン州(インド)
『ダージリン急行』はポップな色彩と繊細な細密画で知られるインドが舞台。撮影は主にラジャスタン州で行われた。アンベール城は1592年築城の宮殿兼城塞。壁や天井に鏡をちりばめた「鏡の間」は、カットガラスの万華鏡のようだ。
08 ジェットコースター──三重県桑名市(日本)
【※記事トップ写真】
まるで雪山のようなナガシマスパーランドの白いジェットコースターを見上げると、『グランド・ブダペスト・ホテル』の雪中をソリで疾走するシーンを思い出す。木製コースターとして人気を集めた「ホワイトサイクロン」は2018年1月に営業を終了したが、翌年春に後継の「白鯨」(写真)が登場した。
09 クローリーエッジのボート小屋──パース(オーストラリア)
この青いボート小屋は、落ち目の海洋探険家が主人公の『ライフ・アクアティック』の1シーンと言っても通用しそう。最近は「自撮り」の名所としてパースで1番の人気撮影スポットになっている。
10 船着き場の小屋──グレノーキー(ニュージーランド)
グレノーキーはアウトドア派にとって楽園のような場所。その美しい風景は『ロード・オブ・ザ・リング』3部作や『ナルニア国物語』などのロケで使われた。どちらもアンダーソン作品ではないが、雪をかぶった山々を背景に立つこの赤い小屋は、アンダーソンの映画に特有のノスタルジーを感じさせる。
Accidentally Wes Anderson
『ウェス・アンダーソンの風景』
ワリー・コーバル 著
(邦訳:DU BOOKS)
監督本人の前書き付き。アンダーソン作品のイメージにぴったりの風景写真を集めた本書の日本語版は、12月に刊行予定。
<本誌2020年10月27日号掲載>