「問い」を立てる力が人生も懐も豊かにするのはなぜ?
正しく〈問う〉力を身につける
私たちの運命は質問の仕方にも大きな影響を受ける。まともに訊けないなら、訊かないほうがましだ。問題だと思うことについて答えを探すためには、きちんとした〈問い〉を立てる習慣を持つべきだ。
私の幼少期がいかに貧しかったか、ご存じのはずだ。私は、苦しく厳しかった頃を思い浮かべ、一度その点について〈問う〉てみた。「私の短所をどうすれば、長所に変えられるのか?」「恥ずべき自分の過去でも誰かの力になり得るか?」「どうすれば自分のノウハウを誰かに伝えられるか?」。
質問を続けていくと、私を再び生かしてくれた母への思いを切り離すことはできなかった。だからすぐに質問した。親として学もなく、手にしたものもない。いつもすまないと言う母に、どうすれば私たちを生んだことの素晴らしさを認めてもらえるのか? 母へ感謝していると100回伝えても、真面目に受け取ってくれはしない。いいアイディアはないだろうか?
「問い」の力で大切な人が自信を持てた
解決策として、母と一緒に『朝の広場』というKBSの長寿番組のトークショーに出演することにした。また、本を執筆してベストセラー作家になった。すると母は小さな町内で有名人になり、町内会長、町長、市議会議員、国会議員、さらに町内の市場の人たちや親戚まで、どうやってこんな娘を生んで育てられたのかと、母に尋ね始めた。ついに母も「申し訳なかった」という言葉ではなく「私の子育てもあながち間違っていなかったみたい」と思ってくれたのか、私の幼い頃の話をし始めた。
時々、前触れもなく難題を突きつけられると、閉口してしまう。しかし、答えがないのではなく、まだ答えが見つからないだけだと考えてほしい。この困難を切り拓く答えをまだ知らないだけだと。だが、きっと答えはある。