「問い」を立てる力が人生も懐も豊かにするのはなぜ?
質問の醍醐味は、自分自身にも投げかけられるという点にある。富を築くための最後の根である〈問い〉とは、人生を根こそぎひっくり返すほど強力だ。
あることに取り組む時、自分に〈問い〉かける習慣は、この上なく重要だ。単純に頭で考えるのではなく、質問することで答えを出すプロセスは、内的な成熟を生み出す。〈問い〉こそ富を成す上で中核となる根なのだ。
逆境で「問い」を立てられる者が成功する
新型コロナウィルスで多くのことが変わった。仕事の仕方、教育方法、出会いのあり方など、以前は不便だと思われていたことが、日常と化した。コロナブルー、ニューノーマル、アンタクト(訳註:アンコンタクトの略を表す韓製英語)、ウィズコロナなど、あまり聞き慣れなかった単語にも慣れた。だが、同じ状況下に置かれても、人によって生き方には大きな違いがある。
コロナのような危機が押し迫った時、人々は一般的にこう考える。
「どうする? まずいぞ。本当に!」
「コロナに罹患したり、職を失ったりしたらどうしよう」
「景気がもっと悪化したら、うちの会社に支障が出るんじゃない?」
一方で成功者たちは、むしろ危機が迫った時、自分にこんな〈問い〉を投げかける。
「この困難な状況にあって生かせる自分の長所はなんだろう?」
「この状況をチャンスに変えるにはどうすればいいか?」
「アンタクトの時代、自分が新たに学ぶべきことは?」
違いがわかるだろうか? 問題のある状況を、ありのままに捉えたり心配したりすることは、人間ならば避けて通れない。だが、危機的状況で自分に〈問い〉かけると、賢明に対処できるのだ。答えを出すのも自分だからだ。
富を成し、時間に余裕がある成功者であっても、困難な状況は我々と同じだ。どうすれば乗り越えられるか、どうすれば目標に到達できるか、絶えず自分に〈問い〉かけるのみ。そして答えを見つけると、すぐにでも実行に移す。
世界的な劇作家、ジョージ・バーナード・ショーはこう語った。「人は目に見えるものを見て『どうして?』と問う。だが、私は見えないものを夢に見て『どうしてだめなことがあろうか?』と問う」。