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痛みやこり、体の不調で整骨院に来る人の共通点は、体の「前面」しか使えていないこと

2022年6月24日(金)17時25分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
前傾姿勢

AndreyPopov-iStock.

<偏った体の使い方を続けると、体に不調や痛みが生じる。例えば前傾姿勢による最大のデメリットは「反り腰」で、これは特に女性にとってあらゆる不調のもとだ>

「今日の不調は昨日までの結果です。疲れがとれないのは、十分な睡眠がとれていないから。肩や腰が痛いのは、まちがった体の使い方をしているから」と、東京・門前仲町で整骨院と正しい体の動きを身につけるジムを運営する長島康之氏は言う。

「明日から健康になりたいと思うのであれば、今日からいい意識を持ち、行動をするだけです」

長島氏は、病院でリハビリを指導したり、プロスポーツ選手のトレーナーを務めたりして、延べ12万人の体と向き合ってきた。家事から仕事、食事、「スマホ首」まで、生活の中で背中側の筋肉を使っていない人が多く、その積み重ねが体のゆがみを引き起こすという。

このたび出版した『運動未満で体はととのう』(主婦の友社)で長島氏は、やる気も根性も必要ない方法とコツを分かりやすく解説。習慣化により「一生動ける体になる」「ぐっすり眠れるようになる」「痛み・疲れがなくなる」......と謳う。

本書に記されたアドバイスは「『立ち方』『歩き方』『呼吸』『朝日を浴びる』など、努力しない前提でできるものばかり」だと、長島氏。本書から一部を抜粋し、2回にわたって掲載する(この記事は第2回)。

※第1回はこちら:運動が三日坊主で終わるのは、脳のメカニズムのせい。習慣化のコツは「日常動作」に

◇ ◇ ◇

偏った体の使い方を続けた結果あちこちに不調、痛みが発生

毎日、数十人のクライアントさんと接していますが、みなさんに共通しているのは体の前面しか使えていないことです。

人間の体は背骨で支えられていて、その骨を支えているのは深層のインナーマッスルや表層の大きなアウターマッスルです。本来は背中側のインナーマッスルを使って姿勢を保つようにできています。しかし、立っているよりもイスに座っている時間が増えた現代では、背もたれやテーブルに寄りかかったり、前かがみでデスクワークをしたりなど、日常的に背中側の筋肉が使われず、知らず知らずのうちに衰えているのです。

仕事に限らず、顔を洗うときも、お皿を洗ったり調理をしたりするときも、掃除機をかけるときも、車の運転をするときも......家事や育児、食事、どんな動きも体の前面が使えれば過ごせてしまいます。背中を意識して使うことが減り、体の前面ばかりに負担がかかっています。

さらにスマートフォンの出現により、小さい画面をのぞき込むように首がどんどん前に出る姿勢がクセになっている人が多くいます。いわゆるスマホ首ですね。

考えてみてください。一日のうちスマートフォンを見ている時間がどれくらいあるでしょうか? 起きている間、その姿勢が繰り返されることで、背中の筋肉を使って姿勢を保つという本来の体の使い方ではなく、自己流のまちがった使い方が身につき、「不健康習慣」として刷り込まれてしまうのです。その積み重ねが体のゆがみを引き起こし、痛みやこりなどの不調が生じるようになるのです。

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