最新記事

メンタルヘルス

適応障害で多いパターンは、相当悪化してから、あわてて心療内科を受診すること

2021年3月3日(水)16時35分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

「イライラしている」「不安げだ」「落ちつきがない」「身体の具合が悪そうだ」「やる気が感じられない」「疲れている」の項目は直接聞いてもいいのですが、評価を気にして否定する部下もいます。あくまで上司の目にどう映るか、以前と比較するとどういう状態か、というところを大切にしてください。

「疲れている」と「疲れやすくなった」は似ていますが、前者は、印象としてあなたの目で判断することができますが、後者は本人の感じ方なので、第三者からは見えません。

これら16項目のうち、「ある」が5~8項目であれば要注意として経過観察、9項目以上であれば「医務室要相談」です。

もう一つ重要な着眼点は、時間の経過の中でこれらの項目がどう変化したかです。

たとえば、3ヶ月前はすべての項目で「ない」だったのが、今月判定してみると「ある」が5項目もついてしまったというときは、経過観察を続けるのではなく、早急に医務室に相談してください。進行性の悪化は、要注意です。

さらに判定の精度を上げるためには、これら16項目を、ほかの上司やリーダー、医務室の保健スタッフと共有し、その人たちにも判定してもらうようにするとよいでしょう。各人で判定にばらつきがあることもあるでしょうし、誰の目から見ても9項目以上当てはまることもあります。ばらつきのある場合は経過観察ですが、後者では環境調整の必要性が濃厚となります。

これらを「3要因ノート」に記入しておけば、より詳細な内容とすることができます。

※抜粋の第3回:部下が適応障害? 過重労働・パワハラ・悪しき人間関係を調整するのは上司の仕事


もし、部下が適応障害になった
 ――部下と会社を守る方法』
 森下克也 著
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


もしかして、適応障害?
 ――会社で"壊れそう"と思ったら』
 森下克也 著
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

仏当局、ディープシークに質問へ プライバシー保護巡

ビジネス

ECB総裁、チェコ中銀の「外貨準備にビットコイン」

ビジネス

米マスターカード、第4四半期利益が予想上回る 年末

ワールド

米首都近郊の旅客機と軍ヘリの空中衝突、空域運用の課
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 6
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 7
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 8
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 9
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 10
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 3
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 4
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 5
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 8
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 9
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 10
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中