適応障害で多いパターンは、相当悪化してから、あわてて心療内科を受診すること
「イライラしている」「不安げだ」「落ちつきがない」「身体の具合が悪そうだ」「やる気が感じられない」「疲れている」の項目は直接聞いてもいいのですが、評価を気にして否定する部下もいます。あくまで上司の目にどう映るか、以前と比較するとどういう状態か、というところを大切にしてください。
「疲れている」と「疲れやすくなった」は似ていますが、前者は、印象としてあなたの目で判断することができますが、後者は本人の感じ方なので、第三者からは見えません。
これら16項目のうち、「ある」が5~8項目であれば要注意として経過観察、9項目以上であれば「医務室要相談」です。
もう一つ重要な着眼点は、時間の経過の中でこれらの項目がどう変化したかです。
たとえば、3ヶ月前はすべての項目で「ない」だったのが、今月判定してみると「ある」が5項目もついてしまったというときは、経過観察を続けるのではなく、早急に医務室に相談してください。進行性の悪化は、要注意です。
さらに判定の精度を上げるためには、これら16項目を、ほかの上司やリーダー、医務室の保健スタッフと共有し、その人たちにも判定してもらうようにするとよいでしょう。各人で判定にばらつきがあることもあるでしょうし、誰の目から見ても9項目以上当てはまることもあります。ばらつきのある場合は経過観察ですが、後者では環境調整の必要性が濃厚となります。
これらを「3要因ノート」に記入しておけば、より詳細な内容とすることができます。
※抜粋の第3回:部下が適応障害? 過重労働・パワハラ・悪しき人間関係を調整するのは上司の仕事
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