起業のサポート本 お荷物社員の活用法から燃え尽き対策まで
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Ildo Frazao-iStock.
<急速に成長し、成功を収めた米おもちゃ会社のCEOが直伝。起業してから1年間をリーダーはどう思考し、行動すべきか>
日本では毎年30万人近くの「起業家」が誕生している。
ただし、この数字は「過去1年間に職を変えた又は新たに職に就いた者のうち、現在は会社等の役員又は自営業主となっている者」という定義で算出されたものなので、実際には、自分を「起業家」だと認識していない人も含まれているだろう(参照:「中小企業白書」2017年版)。
それでも、会社員という安定した地位を捨て(あるいは選ばずに)、自分の力でビジネスをしていこうと決めた人たちの数であることに違いはない。近年では女性の起業希望者も増え、高校生や中学生にも起業意識が浸透してきているという。
だが言うまでもなく、起業はスタート地点に過ぎない。そこから苦難の道のりが始まる......そう語るのは、『全米最速成長企業のCEO直伝 356日スタートアップ大作戦!』(前田雅子訳、CCCメディアハウス)の著者、レット・パワーだ。
「全米最速」の成長を遂げられた理由
レット・パワーは2007年、パートナーと共にワイルドクリエーションズ(Wild Creations)という、公共空間に遊べるオブジェを作るおもちゃ会社を設立する。
同社は革新的なおもちゃを次々と発表し、これまでに40以上の国でさまざまな賞をもらっている。そして、インク誌が選ぶ「最も急速に成長しているアメリカ企業」や、米商工会議所の「Blue Ribbon Top 75 US Company」に選ばれるなど、輝かしい成功を収めた。
だが実のところ、起業からわずか2年後の2009年には、破産寸前にまで追いつめられていたという。パワーに言わせれば、「その長い2年間で私たちはほぼすべてを失った」。進むべき方向を見失ったことで、パワーはいったん立ち止まり、自分自身とビジネスについて考えさせられることになった。
自分たちは何をしてきたのか、何が足りなかったのか、これからどこを目指していくのか。会社存続の危機にまで追いつめられたことが、かえってリセットボタンを押すきっかけとなり、これによって彼の会社は再び上昇気流に乗ることができた。
パワーが窮地で見出した「成功するためのマインドセット」を、迷える多くの新人起業家たちに伝えること、それが本書の趣旨だ。
本書はまた、1年365日にわたって活用できる"アクション・ブック"でもある。週ごとにテーマが設けられ、「今日はこれについて考えるべし」という課題が日々与えられるのだ。今では世界的なコンサルタントでもあるパワーが、二人三脚で新人起業家のサポートをしてくれる、というわけだ。