「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
Tesla Owners Are Rushing to Sell Their Cars
下取り希望者が急増の背景
自動車市場の情報サイト「CarGurus」によれば、テスラ車はいま、中古車市場で最もありふれた電気自動車だ。テスラ中古車の値は下がっており、その平均価格は、別ブランドの中古車を1万ドル下回っている。
中古車販売も手掛けるレンタカー大手ハーツは2024年、3万台のテスラ車を売りに出した。米誌「USニュース&ワールドレポート」によると、米国で現在販売されているテスラ中古車は1万4000台以上で、その大部分は価格がおよそ3万ドルとなっている。一方、2022年のテスラ中古車の平均価格は7万ドルだった。ビジネス・インサイダーによれば、価格下落は、マスクが政治的活動を活発化させたのと同時に起こっているという。
サンフランシスコは、米大手テック企業の多くが本拠を置く都市だが、テスラと決別しようとする人々の中心地にもなっている。
「テスラ車を買ったのは去年の3月で、イーロンの頭がおかしいと気づく前だった」。あるオーナーは、米紙サンフランシスコ・クロニクルの取材に対してそう述べた。テスラの「モデル3」からBMWに乗り換えたが、3年のリース契約でまだ支払いが何千ドルも残っていたそうだ。
サンフランシスコのアウディ販売代理店とメルセデス販売代理店ではともに、テスラ車の下取り件数が増えている。アウディ・サンフランシスコのアンディ・ハンセン最高執行責任者(COO)は、「テスラの下取りを希望する人は、間違いなく大幅に増加している」と述べる。同社代理店におけるテスラ車下取り件数は1週間5台で、今後はさらに増える見込みだという。