半導体株、復活の序章か...TSMC決算に集まる熱視線
日本の半導体株を巡って出直り期待がにわかに広がっている。8日の東京市場では、前日の米ハイテク株安にもかかわらず、東京エレクトロンやアドバンテストが朝安後、予想外に切り返す動きを見せた。写真は2021年12月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
日本の半導体株を巡って出直り期待がにわかに広がっている。8日の東京市場では、前日の米ハイテク株安にもかかわらず、東京エレクトロンやアドバンテストが朝安後、予想外に切り返す動きを見せた。来週には半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の決算を控え、良好な内容を先取りしようとする動きが活発となった。相場全体をけん引した昨年の再来となるか注目度は高い。
「これだけ上昇してくると、半導体関連株を少しは持っておかないと怖いという心理になりやすい」と、いちよしアセットマネジメントの秋野充成社長は指摘する。主要な半導体関連株は年始以降、上昇が続いている。東京エレクトロン株は7日に11%高と大幅高になり、8日も1.6%上昇した。アドバンテストも4%高に次いで3%高と、連日の上昇となった。
とりわけ8日は、前日の米国市場で米半導体大手エヌビディアが6%安と大きく下落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1.8%安となったにもかかわらず、国内の関連株は騰勢を維持した。大和証券の林健太郎シニアストラテジストは「AI需要への期待の高さの現れだろう」と解説する。
年初以降の関連株上昇の追い風になったのは、台湾の電子機器受託生産企業の鴻海(ホンハイ)精密工業の好決算や米マイクロソフトが約800億ドルを投じて人工知能(AI)向けデータセンターを建設する計画が伝わったことだ。鴻海の好業績はAIサーバーの堅調な需要で収益が大きく伸びたことが背景にある。
目先のイベントで注目されるのが、16日に予定される台湾TSMCの四半期決算だ。鴻海の好決算や米大手ハイテク企業によるデータセンター拡張の動きを受けて「TSMCは弱くないとの期待がある」と大和の林氏はみている。
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