最新記事
半導体

半導体株、復活の序章か...TSMC決算に集まる熱視線

2025年1月8日(水)21時00分
東京証券取引所

日本の半導体株を巡って出直り期待がにわかに広がっている。8日の東京市場では、前日の米ハイテク株安にもかかわらず、東京エレクトロンやアドバンテストが朝安後、予想外に切り返す動きを見せた。写真は2021年12月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

日本の半導体株を巡って出直り期待がにわかに広がっている。8日の東京市場では、前日の米ハイテク株安にもかかわらず、東京エレクトロンやアドバンテストが朝安後、予想外に切り返す動きを見せた。来週には半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の決算を控え、良好な内容を先取りしようとする動きが活発となった。相場全体をけん引した昨年の再来となるか注目度は高い。

「これだけ上昇してくると、半導体関連株を少しは持っておかないと怖いという心理になりやすい」と、いちよしアセットマネジメントの秋野充成社長は指摘する。主要な半導体関連株は年始以降、上昇が続いている。東京エレクトロン株は7日に11%高と大幅高になり、8日も1.6%上昇した。アドバンテストも4%高に次いで3%高と、連日の上昇となった。


 

とりわけ8日は、前日の米国市場で米半導体大手エヌビディアが6%安と大きく下落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1.8%安となったにもかかわらず、国内の関連株は騰勢を維持した。大和証券の林健太郎シニアストラテジストは「AI需要への期待の高さの現れだろう」と解説する。

年初以降の関連株上昇の追い風になったのは、台湾の電子機器受託生産企業の鴻海(ホンハイ)精密工業の好決算や米マイクロソフトが約800億ドルを投じて人工知能(AI)向けデータセンターを建設する計画が伝わったことだ。鴻海の好業績はAIサーバーの堅調な需要で収益が大きく伸びたことが背景にある。

目先のイベントで注目されるのが、16日に予定される台湾TSMCの四半期決算だ。鴻海の好決算や米大手ハイテク企業によるデータセンター拡張の動きを受けて「TSMCは弱くないとの期待がある」と大和の林氏はみている。

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国務長官、4月2─4日にブリュッセル訪問 NAT

ワールド

トランプ氏「フーシ派攻撃継続」、航行の脅威でなくな

ワールド

日中韓、米関税への共同対応で合意 中国国営メディア

ワールド

米を不公平に扱った国、関税を予期すべき=ホワイトハ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中