午前のドルは140円前半に軟化、売り地合いで下げ加速

22日午前の東京外為市場で、ドルは朝方の140円後半から140円前半に下落している。4日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Atsuko Aoyama
[東京 22日 ロイター] - 22日午前の東京外為市場で、ドルは朝方の140円後半から140円前半に下落している。トランプ米大統領による米連邦準備理事会(FRB)議長への批判や、米中貿易摩擦の悪化懸念から地合いが悪い中、正午過ぎに下げが加速した。
140円後半で推移していたドルは朝方に、一時ドル買いが強まり141円を回復。仲値公示にかけ、輸出勢からの売りが強まったとみられ軟化した後、正午過ぎに140円半ばから急落した。
仲値では、ドルの先安観が台頭する中で「輸出勢がドル売りを出した」(りそな銀行資金証券部市場トレーディング室の広兼千晶氏)との見方が聞かれた。
正午過ぎに下げが加速した背景として、140円半ばを割り込んだことで「ストップロスを巻き込んだ」(為替ブローカー)可能性も指摘される。また、「イースター休暇明けの海外勢が、ドル売りを仕掛けてくるのではないかとの思惑が出回っている」(FX会社のトレーダー)との声もあった。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は21日、中国投資有限責任公司(CIC)など中国の政府系ファンドに米国拠点のプライベートエクイティ(PE)企業のファンドへの投資を引き揚げる動きが出ていると報じた。こうした動きで「米中貿易摩擦悪化の懸念が強まっている」(為替ブローカー)ことが、ドル売りの背景として指摘されている。
トランプ大統領は21日、金利が即座に引き下げられなければ、米経済は減速する可能性があるとし、パウエルFRB議長に対し早期利下げを改めて要求。FRBの独立性が脅かされるとの懸念もくすぶる。