ダボス会議創設のシュワブ会長が辞任、米関税政策が一因か

スイスのジュネーブに拠点を置く世界経済フォーラム(WEF、ダボス会議)は4月21日、創設者のクラウス・シュワブ会長(87、写真)が同日付で辞任したと発表した。1月21日、ダボスで撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[チューリヒ 21日 ロイター] - スイスのジュネーブに拠点を置く世界経済フォーラム(WEF、ダボス会議)は21日、創設者のクラウス・シュワブ会長(87)が同日付で辞任したと発表した。理由は明らかにしなかった。
WEFは20日に臨時理事会を開き、シュワブ氏の辞任の申し出を受け入れるとともに、新会長選出まで現副会長のピーター・ブラベック・レトマット氏を暫定会長に充てることを決めた。
WEFは今月初め、シュワブ氏が辞任する予定と発表していたが、具体的な時期は明らかにしていなかった。
WEFはドイツ生まれのシュワブ氏が1971年に創設。年次総会では、各国の政治家や企業経営者らを一堂に集め、主要な国際問題にともに取り組む機会を設けた。シュワブ氏はグローバリズムの擁護者と広く認識されてきた。ただ、近年はWEFが一般人の生活から懸け離れたエリート集団のおしゃべりクラブだと左右両派からの批判にさらされている。
また、ロシアによるウクライナ侵攻に加え、トランプ米政権が保護主義的な貿易政策を強化したことに伴って地政学的緊張が高まっており、WEFは翻弄されている。一部のアナリストは影響力が低下しているとの見方を示している。