最新記事
仕事術

まじめに頑張る人ほど苦戦...「できる営業」は何が違う? 2万人調査で見えた「できない営業」の問題点

2024年7月17日(水)11時22分
flier編集部

そこで5月の連休明けに再度コンタクトを取ったとき、「前回、社長交代の直後で慌ただしくされているとのことでしたが、1ヶ月経って、具体的な指示が現場にも降りてきているのではないですか?」と聞いてみるんです。すると「実は社長からこういうこと言われていて困ってるんです」と相談され、関係構築の糸口をつかむチャンスが生まれます。

「忙しい」と言われて「はいわかりました」と単に引き下がるだけでは大事な情報が引き出せません。「本当に忙しいのか。忙しいとしたらそれは何が原因なのか」を突き止めようとするから、関係構築が前進するのです。


──言われた言葉を真に受けているだけではいけないんですね。

他にも例をあげてご説明します。たとえば、大半の営業はクロージング段階で「検討しますのでお待ちください」と言われたら、「この案件は7~8割ダメだろう」と考えます。でもお客様1万人調査でわかったのは、可能性がないからシャットアウトしたというお客様は13.7%だけで、残りの86.3%のお客様は「きちんと条件を満たせば、追加で話を聞いてもよい」と答えています。つまり、まだチャンスは86.3%もあるんです。その条件とは、「提案に対するちょっとした不満の解消」だったり、「タイミングを改めた連絡」だったりします。ただし、その「条件」は、お客様の方から進んで言ってくれるわけではありません。

お客様が「検討します」と言って営業をかわす理由は、提案がNGだからではなく、検討状況や感触を詳しく伝えるのが面倒くさいからです。「いったんこう言っておこう」という、いわば時間稼ぎなわけです。

──高橋さんご自身が「購買者の仮面」に気づいたエピソードはありますか。

例えば新規のお客様の中には、忙しいとおっしゃっていても、いざ商談になると時間を延長してくださる方がいらっしゃいます。「30分だけと言っていたのに、もう1時間半経っている」ということが何度かあったとき、忙しいというのは方便で、本当は、時間を使う価値があるかどうかを見極めているということに気づいたんです。

それならば、時間を使う価値があることを示せばいいですよね。「続きを聞きたい」と言われることを予測して、準備をして商談に臨む。売れない人は「忙しいので」と言われた瞬間、手短に済ませることだけ考えて終わりですが、売れる人は簡潔に伝える用意もしておく一方で、仮に時間の延長をいただけたときに伝える “プラスα” を用意しています。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB、一段の利下げ必要 ペースは緩やかに=シカゴ

ワールド

ゲーツ元議員、司法長官の指名辞退 売春疑惑で適性に

ワールド

ロシア、中距離弾でウクライナ攻撃 西側供与の長距離

ビジネス

FRBのQT継続に問題なし、準備預金残高なお「潤沢
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 2
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 5
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 6
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 7
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    若者を追い込む少子化社会、日本・韓国で強まる閉塞感
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 7
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 8
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 9
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 10
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中