仕事にも人生にも大いに役立つ「気付き」と「教養」をくれる、いまイチオシの本をピックアップ
「なるほど」と思わず唸る、深くて鋭い指摘が炸裂
『校閲至極』
著者:毎日新聞校閲センター
出版社:毎日新聞出版
出版社の校閲部が舞台となった宮木あや子さんの小説『校閲ガール』が、石原さとみさん主演でテレビドラマ化されたことで、「校閲」の仕事が広く知られるようになりました。
本書は、誰にでも読みやすく正確に伝わる日本語をめざし、誤字や不適切表記と格闘する新聞校閲記者のコラム。校閲とは人の間違いを見つけて「悦」に入るというより、見逃して「恐れ」を抱くような仕事。正解のない問題に日々あがき続ける姿に、共感の声が集まっています。
事実確認を徹底する執念と行動力、その真摯な働きぶりに胸が熱くなります。そうか、なるほど!と思わず膝を打ってしまう、校閲の仕事の奥深さと面白さが分かる良書です。
(毎日新聞出版 図書編集部 峯晴子)
「自己肯定感は低いくらいでちょうどいい」
『発達障害で「ぐちゃぐちゃな私」が最高に輝く方法』
著者:中村郁
出版社:秀和システム
フジテレビ「土曜はナニする?!」、関西テレビ「ちゃちゃ入れマンデー」。著者は複数の人気番組でナレーションを担当し、声優としても活躍してきました。そんな著者は、実は発達障害を抱えており、「苦手なことを手放し、好きなことを選択して生きていく」を実践しています。
著者は、過剰に集中し過ぎてしまう「過集中」の傾向があり、物忘れがひどく、片づけも苦手でした。アルバイトもすぐクビになる日々。自信がなく就職活動をしませんでしたが、ナレーターの道を勧められ、大学卒業と同時に現在の事務所に所属します。
ナレーターは高い集中力が必要な仕事です。著者は人の声が聞こえなくなるほど集中するので、噛まずに読めます。また、没頭したときの調査力にくわえ、表現力・国語力の高さが評価され、数々のオーディションに合格! 短所が立派な長所になったのです。
著者は自己肯定感が低いままでもいいといいます。「できないことをできるようになるために特訓するのではなく、工夫をしよう」と考えているのです(どのように工夫しているかは本書にて)。本書では、発達障害の著者を成功に導いた数々のライフハックを大公開します。いずれも自分の人生を幸せにしてくれる「シンプル」な方法です。
「発達障害で困っている」「私ってADHD?」という方や、「子どものことで悩んでいる」という方に、ぜひご一読いただきたい一冊です。
(秀和システム 担当)