「自分らしく働く」を諦めないで! 自分の「やりたい仕事」と「強み」は、こうすれば見つかる
私自身も実体験を通じて、アウェイに身を置くことの大切さを感じてきました。20代後半の頃に、会社員の傍ら、フィリピンの児童養護施設の子供たちを支援する団体のボランティア活動をし、チャリティーマラソンの運営事務局も3年やっていました。広報担当として、HPの文章やプレスリリース作成、SNS投稿をしていたら、言語化や伝え方が上手だねと言っていただいて。おかげで、自分の強みに気づき、自信につながったんです。
ホームでは雑誌の編集記者をしていたので、当然、私と同じように文章を書くのが得意な人たちばかり。だから言語化が強みだと気づけなかったんです。ですが、多様な人がいる環境下で、自分を必要とし、認めてくれる人がいると自信になる。私の場合は、それがWarisを起業するときの支えになりました。
あとは、幅広い年代や職種の人と接するなかで、多様なロールモデルに出会えました。そこで生まれた人的なつながりは、人生の財産になっています。
越境体験というと、副業、ボランティア、外部での学び直しをイメージするかもしれません。それは敷居が高そうですが、石山先生は「(必ずしも)社外に出なくてもいい」といいます。社内での趣味やクラブ活動、組合活動、会社横断イベントの企画に参加するのもいい。普段所属しているチームと違う人との出会いが大事で、ホームとアウェイを行き来すること全般が越境体験なのだと。こう思うと一歩踏み出すときに、気がラクになりますよね。
──今後、組織のあり方も多様化すると思いますが、改めて、どんなマインドセットやスキルをもつ人材が求められるのでしょうか。
企業が求める人材としてキーワードは、「自分を律することができる」ということ。労働人口の減少や年金支給開始年齢の引き上げにより、働く期間は長期化する一方。約50年働くことになり、今後ますます新しい知識やスキルを学び続ける力が問われます。
ところが、ベネッセコーポレーションの「社会人の学びに関する意識調査2023」によると、日本の社会人の約4割が学習経験も学習意欲もない「なんで学ぶの層」だといいます。
これからの時代に問われるのは「学歴」ではなく「学習歴」。まだまだ学ばない人が多いからこそ、常に学び続けている人は、企業でも求められ、仕事を獲得しやすくなります。
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