最新記事
ビジネス書

100冊のノウハウを1冊に...ビジネス書のベストセラー「100冊シリーズ」はなぜこれほど支持されるのか?

2023年10月25日(水)12時14分
flier編集部

231024fl_ohb03.jpg藤吉豊氏

小川 ランキングづけはどのテーマでも迷いますね。宮本さんにもアドバイスをいただきながら作業しています。

──逆にもっとも楽しいパートはどこですか。

小川 本を読むところでしょうか。やっぱり本が好きですし、自分の知識になっていく実感がありますから。それに、ランキングがパシッと決まった瞬間も楽しいですし......何より、藤吉と宮本さんとのチームでプロジェクトに取り組むこと自体がとても楽しいです。

藤吉 ライターなので、原稿執筆も楽しいのですが、いちばんは小川の原稿を読む瞬間かもしれません。1位から7位までは藤吉、8位から20位までは小川......というふうに担当を割り振って原稿を書いたあと、それぞれの原稿を交換してチェックするんです。事前に小川の担当パートを見て「ここは難しそうだ」と思うことがありますが、小川はどんなに難しい箇所もうまくまとめてきますね。

小川 私も同じです。「藤吉はこんなふうにまとめたんだ」「なるほど、こうすればいいのか」と勉強になります。

藤吉 そういう意味では、自分が書いた原稿に対する小川からのフィードバックを見る瞬間が一番ドキドキするかもしれません(笑)。

小川 お互いに手加減なしですからね(笑)。

「健康法」や「ChatGPT」はテーマにならない?

──文章術、話し方、勉強法、お金の増やし方と、毎回「これが知りたかった!」と思うテーマばかりです。どのように決めているんですか。

小川 宮本さんが提案してくださっていて、特に重視しているポイントは「需要の大きいテーマであること」と「ロングセラーから新刊まで、バランスよく100冊以上のベストセラーが刊行されていること」です。また、健康法のように、万人にとっての正解を見つけにくいものは避けています。

藤吉 実は1冊目を出版する前から「シリーズ展開していきましょう」と決まっていたわけではなくて、「文章術」が多くの方に読んでもらえたので、2冊目以降につながったんです。2冊目の「話し方」は、1冊目の「文章術」の中に “話し方” や “伝え方” に通ずるノウハウが多く含まれていたこともあり、自然とテーマが決まりました。

小川 そうでしたね。3冊目に「勉強法」をご提案いただいたのは、リスキリングが注目されていたタイミングでした。

制作に1年弱かかることを考慮すると、息の長いテーマでなければなりません。たとえばChatGPTは「100冊シリーズ」のテーマにはなりにくそうです。これも重要なポイントですよね。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

26年世界石油需要は日量143万バレル増、伸び継続

ビジネス

NY連銀総裁「金融政策はデータ次第」、政府巡る不確

ワールド

イスラエルとハマス、ガザ停戦で合意 第1段階は人質

ビジネス

ブラックロック第4四半期、運用資産が過去最高 株高
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    ド派手な激突シーンが話題に...ロシアの偵察ドローンを「撃墜」し、ウクライナに貢献した「まさかの生物」とは?
  • 4
    韓国の与党も野党も「法の支配」と民主主義を軽視し…
  • 5
    【随時更新】韓国ユン大統領を拘束 高位公職者犯罪…
  • 6
    中国自動車、ガソリン車は大幅減なのにEV販売は4割増…
  • 7
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 8
    ロス山火事で崩壊の危機、どうなるアメリカの火災保険
  • 9
    「日本は中国より悪」──米クリフス、同業とUSスチ…
  • 10
    TikTokに代わりアメリカで1位に躍り出たアプリ「レ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 6
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「…
  • 7
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 8
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 9
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 10
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中