最新記事
経営者

社員の「尖り」が見える...不動産業界のパイオニアが、社員の読む本を「全額負担」して得たもの

2023年7月25日(火)17時51分
flier編集部
株式会社リブラン代表取締役会長の鈴木雄二氏

株式会社リブラン代表取締役会長の鈴木雄二氏(flier提供)

<これからの時代は「知」をいかに蓄積するかの勝負だとする株式会社リブラン代表取締役会長の鈴木雄二氏にインタビュー>

社員が読みたい本の購入費用を会社が全額負担する。しかも、どんな分野の本でもいい――。そんな独自の制度「知の貯金箱」を16年ほど続けているのが、不動産デベロッパーである株式会社リブランです。同社は、自然の力を利用して心地よさを感じられるマンションの「エコヴィレッジ」や、24時間楽器の演奏が可能な防音機能つきマンション「ミュージション」などを展開しています。

 
 
 
 

代表取締役会長の鈴木雄二さんが「知の貯金箱」に込めた想いとは? 「本の知」にふれることで社員や事業にどんな影響が生まれるのか、フライヤー代表・大賀康史とともに語りつくします。
※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。

大手不動産が提供できない価値の糸口は、「社会問題の解決」にあった

大賀康史(以下、大賀) まずはリブランの事業について簡単に紹介していただけますか。

鈴木雄二さん(以下、鈴木) リブランは今年2023年で創業55年を迎える不動産デベロッパーです。私は24歳のときにリブランに入社し、分譲マンション事業からのスタートでした。

リブランの創業者である父は、常々こんなふうに語っていました。「社会問題を掘り下げていくと住宅に起因するケースが多い。住宅を変えることで社会問題を解決できるような仕事をしないといけない」。そんな父の影響で、私も社会問題を勉強するようになりました。

また、事業としての側面からも、不動産の決め手といわれる3P、いわばPrice(価格)・Plan(間取り)・Place(立地)だけで競合と戦っていては疲弊することが明らかでした。大手が手がけていないリブランならではの価値を提供するにはどうすべきか。そこで、「住まい」の領域でお客様の願いをかなえるような価値を創造することで、事業の活路を見出せると同時に、社会課題の解決にも寄与できると考えました。

リブランが手がける主力商品は2つあります。1つは、ワンストップリノベーション事業の「てまひま不動産」。リブランは、太陽の光や風、緑などの自然の力で室内を快適にする「エコミックスデザイン」という設計思想に基づいた住まいを提案しています。都市部でもエアコンに頼らず、リラックスできる空間をつくり出しています。

もう1つは、24時間楽器の演奏が可能な防音機能つきマンションの「ミュージション」です。発想の原点になったのは、騒音問題に対して、「そもそも騒音が出ない家をつくれないか」と考えたことです。防音性と遮音性を追求することで、音楽を思い切り楽しめる環境を実現し、今では当社の収益の柱となっています。

読者プレゼント
『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』独占試写会 30組60名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

独クリスマス市襲撃、容疑者に反イスラム言動 難民対

ワールド

シリア暫定政府、国防相に元反体制派司令官を任命 外

ワールド

アングル:肥満症治療薬、他の疾患治療の契機に 米で

ビジネス

日鉄、ホワイトハウスが「不当な影響力」と米当局に書
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能…
  • 5
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 6
    「私が主役!」と、他人を見下すような態度に批判殺…
  • 7
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 8
    「オメガ3脂肪酸」と「葉物野菜」で腸内環境を改善..…
  • 9
    「スニーカー時代」にハイヒールを擁護するのは「オ…
  • 10
    「たったの10分間でもいい」ランニングをムリなく継続…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 5
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 8
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 9
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 10
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中