最新記事

キャリア

「やりたい仕事」はライトに考えていい...目標と適職が、自然と分かってくる方法

2023年1月13日(金)17時38分
flier編集部

成長実感をもてないのは、「振り返り」が足りないから

──『適職の地図』は就活、転職、副業、起業など、いろいろな選択肢で活かせますが、「いまの職場で得られる強み」に目を向けるきっかけも与えてくれます。「入社して2、3年が経ち仕事に慣れてきたが、成長実感をもちづらい」と悩む若手社員には、土谷さんならどんなアドバイスをされますか。

成長実感をもてないときは、過去の振り返りをしていないことが多いんです。たとえば社会人3年目なら、3年間でできるようになったこと、積み上げてきたものが必ずあります。ビジネスメールを送れるようになったとか、お客様との会話がスムーズにできるとか。

1年前の悩みを思い返すと「笑える失敗」ってありませんか。それって、今はその悩みを乗り越えるためのスキルがついている、つまり前に進めているということですよね。

──たしかに、それなら小さくても成長した経験が思い浮かびます。

会社にいると目先の目標に追われます。来期には新たな目標が掲げられ、達成したことがあってもリセットされてしまう。そのため、目標と現状との間に生まれたギャップに目が行きがちです。そんなときこそ、まずはこれまで乗り越えてきたことや達成したことを意識的に振り返ってみてください。たったそれだけでも成長実感が得られるはずです。

チーム目標を達成したいなら、部下に「理想の未来」を聞こう

──「適職クエスト」はチームのメンバーの強みを引き出すことにも活かせそうです。やりたいことによって何が強みになるかは変わりますが、「強みで成果を出すチーム」をつくるためには、どうするとよいでしょうか。

チームで達成すべき目標があるけれど、個人ではあまり本気になれないときってありますよね。それは、理想の未来がメンバーそれぞれでも、まずは今のチームで成果を出すことのメリットを腹落ちできていないからです。

私が会社員で営業部のマネージャーをしていたときも、カフェや帰り道などで、部下のメンバーの理想の未来を聞くようにしていました。会社の枠をとっぱらってどんな生活をしたいのかと。

たとえば「将来コピーライターになりたい」というメンバーに対しては、そのためにどんなスキルが必要になるかを尋ねてみる。すると、「人がモノを買いたくなるようなワーディングのスキルを身につけたい」という答えが。「じゃあ商談をたくさんこなして、どの言葉が効くのか試してみよう!」と声をかけると、メンバーは商談に積極的になり、自然とチームの成績も上がっていきます。

こんなふうに、個人の理想とチームの目標につながりが見いだせたら、あとは自発的に動いてくれる。上司や先輩の立場にある人は、部下や後輩に、理想の未来を尋ねてみるといいのではないでしょうか。「目の前の仕事の先に自分の理想の未来がある」と思えて初めて、前向きに自分の特徴を「強み」に変えて取り組めるようになると思います。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中