まずは「相手を統制する」という考えを手放そう...「やる気に満ちたチーム」の実現法
斉藤徹氏(本人提供)
<社員1人1人の「しなくちゃ」を、自ら「したい」に変える方法はある。『だから僕たちは、組織を変えていける』著者・斉藤徹氏に聞く>
誰であっても、リーダーシップをとって組織を変えられる――。そんな勇気を与えてくれる、組織・チームづくりの科学的メソッドを体系化した一冊が、『だから僕たちは、組織を変えていける』です。2022年8月時点で7万部を突破し、大反響になっています。
著者は、ビジネス・ブレークスルー大学教授、経営者として活躍しながら、数多くの起業論・組織論を執筆されてきた斉藤徹さんです。やる気に満ちた「やさしい組織」はどうすればつくれるのでしょうか?
※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。
これからの組織は、「統制」から「自走」へ
──『だから僕たちは、組織を変えていける』の「一人でも組織を変えられる」という言葉に勇気づけられました。斉藤さんが本書を執筆された動機は何でしたか。
働くことに幸せを感じてほしい。そういう組織がひろがってほしい。そんな願いを込めて書きました。私が経営者として体験してきたことを、経営学を基礎として「知識社会における組織のつくりかた」として体系化することで、幸せな組織が増える一助になりたいと思ったのです。
ライフシフトにより、一人ひとりの仕事観が変わるなか、「お金」で動く時代は終わり、私たちの意識は「幸せ」に向かいはじめています。
私自身、経営者として「人の幸せを広げる経営」がいかに大事なのかを実感する原体験がありました。著書の執筆、企業向けのコンサルティング、学習院大学での講義、社会人向けhintゼミを通じて、「人の幸せを広げる経営」の再現性に確信を得ました。一人からでも組織は変えられるし、幸せを広げられるのです。この経験を汎用的なメソッドにしたのが、この『だかぼく』です。
『だから僕たちは、組織を変えていける』
著者:斉藤徹
出版社:クロスメディア・パブリッシング
要約を読む
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──リモートワークが広がり、人々の仕事観が変化しています。そんななか、組織で深刻化している課題は何ですか。
コロナ禍は働き方を大きく変化させ、ハイブリット・ワークが劇的に普及しました。これは、私が社会人として経験した約40年間でも最大の変化です。これまでなんとなく感じていた「組織の矛盾」をそのままにしておけず、組織変革が急務となったのです。
出社が必須でなくなったことで、経営層は、今までの統制型のマネジメントが通用しなくなったことに不安感を募らせるようになりました。組織の様子を見渡せなくなったことで、コントロールしにくくなったと感じているのです。