最新記事

ビジネス

もう現代人の「タイパ」欲求は止まらない...そこで使える「ショート動画」ビジネス術

2022年7月21日(木)20時35分
flier編集部

私の同世代にも、現在の「スマホ×SNS」という大きなトレンド、そこで若者が生み出すカルチャーに苦手意識があるような方々は多いと感じています。そうした世代やより年上の方々ほど、TikTokなどの現在トレンドにあるSNSを利用していない印象を受けます。

第1章で本書の着想や狙いについて触れましたが、「最近のSNSはよく分からない」「変化に対応すべくニュースはフォローしているが、腑に落ちた感じがしない」「体系的に理解できず、これからどういう展開になるのか分からない」といった相談を受ける機会が多くあります。まさに、そうした方々に本書のメッセージが届いてほしいと願っています。

短尺動画が市場を席巻

── 本書の全12章のうち、特に強調したいのはどの部分でしょうか。

最も伝えたかったのは、TikTokの仕組みについて触れた第8章です。スマホに最適化された設計で長時間の閲覧に適したUXを持つ、動画をつくりやすく多様なコンテンツが存在する、おすすめのアルゴリズムが優れているといった「TikTokに夢中になる3つの理由」を中心に、TikTokがどうしてユーザーに刺さるのか、そしてメディア論的に何がエポックメイキングなのかを深掘りして考察しています。

その8章以降はTikTokに紙幅を割いて詳説しているわけですが、その前段として前半の章では、インフルエンサーや動画の隆盛といったSNSを取り巻く環境変化など基本的な動向をまとめています。ここを読んでもらうと、SNSへの苦手意識なども和らぐのではないかと思います。

また心理学の見地からマーケティングを再構築した第2章「私たちの購買心理:進化心理学からのアプローチ」もかなり刺激的な内容に踏み込んでいるので、ぜひ一読いただけたらと思っています。

── ショートムービーに関連し、最近はタイパ(タイムパフォーマンス)という言葉がよく聞かれます。可処分時間をいかに効率よく使うかといったこの傾向は、続いていくと思われますか。

中長期的に続いていくと考えます。なぜなら、ネットを中心に世の中に出回る情報量は増え続ける半面、私たちが情報収集に使える時間は変わらないという構図があるからです。したがって、増え続ける情報量と可処分時間とのギャップは広がり続けます。

人びとの心の中に「もっと見たい」「もっと知りたい」という欲求がある以上、タイムパフォーマンスがいいものを選択して享受することは、むしろ一層求められていくと思われます。タイパの良さだけがコンテンツを選ぶ基準にはならないでしょうが、日々効率的に知りたい、色々な情報を得たいというニーズは底堅いはずです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中