もう現代人の「タイパ」欲求は止まらない...そこで使える「ショート動画」ビジネス術
中でも短尺動画は、タイパの良さという意味では、一丁目一番地のコンテンツフォーマットと言えます。マーケティングにおいても、短尺動画でいかにアテンションを獲得するかが重要視されるようになっています。TikTokに続けと、YouTubeやInstagramなど他のコンテンツサービスも短尺動画をどんどん取り入れ、競争は過熱しています。
短尺動画で興味を持ってもらい、そこから長尺の本編に誘導したり、別のサイトに遷移させたりといった導線の入り口としての使われ方が、ショートムービーの王道になっていくはずです。
コミュニケーションの未来
── 今後の活動の展望についてお聞かせください。
最近では、Web3やメタバースといった言葉がある種のバズワード化しつつも、どんどん注目を集めるようになっています。そうした新たなコミュニケーションも5年、10年スパンで次々に生まれ普及していくだろうなと予測しています。そのとき、「いま」のトレンドを知悉していることが助けになることもあると思いますし、引き続きこの領域には挑戦的に取り組んでいきたいですね。
ただ、テクノロジーがいかに変わろうとも、人と人がもっとつながったり、意思疎通したりするといった欲求、欲望は、変わらずに存在し続けるでしょう。だからこそ、本書でも第2章のようなテーマを設けているともいえます。テクノロジーと人の心は互いに影響を与えあい共進化するからこそ、片方だけに偏って議論は危険なのです。
これからも、人と人とがつながろうとする欲求、欲望をポジティブに捉え、次々に生まれるテクノロジートレンドを肯定的に受け止めながら、変化の波を見定めていきたい。今はそのように考えています。
天野彬(あまの あきら)
電通メディアイノベーションラボ主任研究員。1986年生まれ。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了(M.A.)。SNSのマーケティング活用や若年層のトレンドについての研究開発・コンサルティングを専門とする。最新著に『新世代のビジネスはスマホの中から生まれる ショートムービー時代のSNSマーケティング』(2022年、世界文化社)。その他に『シェアしたがる心理』『SNS変遷史』『情報メディア白書(共著)』『メディアリテラシー 吟味思考を育む(共著)』など。経済番組でのコメンテーターや各種講演でのスピーカーなど経験多数。
flier編集部
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