理解を求めるか、興味をもたせるか、「説明」は状況によって「型」を使い分けよ

Masashi Inutsuka
<仕事上のコミュニケーションを成功させる方法を、『あてはめるだけで「すぐ」伝わる 説明組み立て図鑑』著者・犬塚壮志さんに聞く>
※このインタビュー記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。
コロナ禍で、オンラインでのコミュニケーションの機会が格段に増えた昨今。商談やプレゼンが今までは上手くいっていたのに、オンラインになった途端上手くいかないという例が少なくありません。
このたび紹介するのは、業界最難関といわれる駿台予備学校のカリスマ講師として絶大な人気を誇った犬塚壮志さんの新刊『あてはめるだけで「すぐ」伝わる 説明組み立て図鑑』(SBクリエイティブ)です。日常会話から、会議やプレゼン、交渉、講義、指導といったシーンに至るまで、さまざまな目的に合わせた80の「説明の型」を解説しています。
特にオンラインでの商談・プレゼンについてのポイントを、株式会社フライヤーの執行役員、井手琢人がうかがいました。
なぜ説明には型が必要なのか?
井手琢人(以下、井手) この本では「説明の型」が解説されていますが、そもそもなぜ説明には「型」が必要なのでしょうか?
犬塚壮志(以下、犬塚) 着地点を見定めないままに説明をすると、話がいろんな方向に散らばってしまいます。そうなると、目的を達成することが難しくなるんです。何のためにその話をしているのかがわかりにくくなってしまうということです。話が冗長になるパターンはこのケースが多いですね。
さらには「型」を使っていても、その使い方を間違えてしまうと、本来の目的が達成できないこともあります。
相手に内容を理解してもらうための説明と、興味を持ってもらうための説明だと、同じことを話すにしてもやり方が異なると思うんです。
相手が認知をし、何らかの変化を起こすためには、その目的を達成するための適切な「型」が必要なのです。
井手 会社のメンバーそれぞれの商談プロセスがなかなか見えない中で、みんなが「説明の型」をしっかり身につければ商談の打率は上がっていきますね。
犬塚 そのとおりです。この本で紹介した「説明の型」は実際に自分で使って試してきたものがほとんどです。予備校講師時代には年間1500時間授業をしていて、上手くいった説明と上手くいかなかった説明については、生徒の表情やアンケートではっきりわかりました。そうした自分の経験を通じて、打率のよかったものだけを集めて本にしたわけです。