ビットコインなどの仮想通貨、金融市場の混乱よそに驚くべき底堅さ
ビットコインの足元の時価総額は9020億ドル。ただ昨年11月に記録した1兆ドルまではなお距離がある。またビットコインは依然として仮想通貨の主流の地位を保っているものの、昨年初めに70%まで高まった時価総額におけるシェアは、現在42%に下がった。
難しい先読み
今後はどうなるのだろうか。
英国に拠点を置くデジタル資産ブローカー、グローバルブロックのアナリスト、マーカス・ソティリオウ氏は「ビットコインは短期的に堅調を保っているが、原油価格高騰によって1年後ぐらいまでにリセッション(景気後退)が起きる確率が上がっている。原油は過去6日間だけでも25%前後値上がりしており、ビットコイン強気派としては、原油高の勢いが弱まってほしいところだろう」と話した。
もっとも複数の市場内部要因はビットコインの強気シグナルになっている。例えば先物を通じたビットコインの保有コストを表す「ファンディングレート」は、年初からほとんどマイナスだったが、ここにきてわずかのプラスに転じた。つまり投資家はロングポジションに対してコストを支払う意向であることがうかがえる。調査分析プラットフォームのクリプトクアントが算出した同レートは現在0.003%。直近高値の昨年10月の0.06%よりはかなり低い。
コイングラスが算出したロング・ショート比率は今月20日の0.95から1.1と少なくともこの4週間で最も高水準になっている。
ブロックチェーンデータを提供するチェーンアナリシスによると、ビットコインの総供給量に対して保有期間が52週を超えている比率は現在60%近くと、過去25週間の54.72%を上回った。
それでもデルファイ・デジタルの調査担当バイスプレジデント、アシュワス・バラクリシュナン氏は、仮想通貨市場の持続的な方向を見極めるのは難しいと警告。「(ビットコインが)4万6000ドルの抵抗線にはね返されて反落すれば、恐らく少なくともあと1カ月前後はレンジ内の値動きにとどまることになる」と予想した。
(Medha Singh記者、Lisa Pauline Mattackal記者)
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