ビットコインなどの仮想通貨、金融市場の混乱よそに驚くべき底堅さ
暗号資産(仮想通貨)は、厳しい局面が続いた第1・四半期の最終盤になって追い風が吹いてきたようだ。2020年3月撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)
暗号資産(仮想通貨)は、厳しい局面が続いた第1・四半期の最終盤になって追い風が吹いてきたようだ。市場の合計時価総額は2兆ドルの大台を回復し、世界の金融市場全体が大混乱に陥る中で、驚くほど底堅く推移している。
代表的な仮想通貨ビットコインは28日時点の価格が4万7765ドルと、年初からのほとんどの期間とどまってきた3万4000-4万4000ドルの狭いレンジを上抜け。このじり高傾向により、今月21日に付けた直近安値からの上昇率は18%になった。
ロシアのウクライナ侵攻と米連邦準備理事会(FRB)による利上げで、株式や従来通貨だけでなく、安全資産の金でさえも激しく動揺しているのと対照的に、仮想通貨は少なくとも以前と比べればしっかりした値動きだ。
ビットコインは変動率も足元で低下してきた。先物取引プラットフォームのコイングラスによると、30日間のボラティリティは4%前後と、昨年6月の3分の2ほどに落ち着いた。今年の最大値は、16日の4.56%だった。
一方ハイテク株の比重が大きいナスダック総合は、今年になって変動率が5-6%という日が幾つもあり、14日時点では年初来の下落率が20%に達した。
チャート分析プラットフォーム、トレーティングビューのゼネラルマネジャー、ピアース・クロスビー氏は「第2次大戦後に欧州で目撃されている最大の戦争が、世界の市場を揺さぶっている。ビットコインは総じてかなり小幅のレンジで取引されているが、相対的な評価で言えば非常に強い地合いだ」と指摘した。
大台回復
仮想通貨市場の合計時価総額は25日に2兆ドルを上回ったことが、調査分析プラットフォームのコインマーケットキャップのデータから分かる。時価総額は、ビットコインが6万9000ドルを付けた昨年11月10日に一時3兆ドルまで膨らんでいる。
その後曲折を経て2兆ドルまでゆっくりと回復した背景としては、仮想通貨の爆発的な増加も挙げられる。コインマーケットキャップが集計した仮想通貨は、昨年11月から約5000種類増えて1万8511種類になった。