最新記事

仮想通貨

ビットコインなどの仮想通貨、金融市場の混乱よそに驚くべき底堅さ

2022年3月31日(木)12時30分

暗号資産(仮想通貨)は、厳しい局面が続いた第1・四半期の最終盤になって追い風が吹いてきたようだ。2020年3月撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

暗号資産(仮想通貨)は、厳しい局面が続いた第1・四半期の最終盤になって追い風が吹いてきたようだ。市場の合計時価総額は2兆ドルの大台を回復し、世界の金融市場全体が大混乱に陥る中で、驚くほど底堅く推移している。

代表的な仮想通貨ビットコインは28日時点の価格が4万7765ドルと、年初からのほとんどの期間とどまってきた3万4000-4万4000ドルの狭いレンジを上抜け。このじり高傾向により、今月21日に付けた直近安値からの上昇率は18%になった。

ロシアのウクライナ侵攻と米連邦準備理事会(FRB)による利上げで、株式や従来通貨だけでなく、安全資産の金でさえも激しく動揺しているのと対照的に、仮想通貨は少なくとも以前と比べればしっかりした値動きだ。

ビットコインは変動率も足元で低下してきた。先物取引プラットフォームのコイングラスによると、30日間のボラティリティは4%前後と、昨年6月の3分の2ほどに落ち着いた。今年の最大値は、16日の4.56%だった。

一方ハイテク株の比重が大きいナスダック総合は、今年になって変動率が5-6%という日が幾つもあり、14日時点では年初来の下落率が20%に達した。

チャート分析プラットフォーム、トレーティングビューのゼネラルマネジャー、ピアース・クロスビー氏は「第2次大戦後に欧州で目撃されている最大の戦争が、世界の市場を揺さぶっている。ビットコインは総じてかなり小幅のレンジで取引されているが、相対的な評価で言えば非常に強い地合いだ」と指摘した。

大台回復

仮想通貨市場の合計時価総額は25日に2兆ドルを上回ったことが、調査分析プラットフォームのコインマーケットキャップのデータから分かる。時価総額は、ビットコインが6万9000ドルを付けた昨年11月10日に一時3兆ドルまで膨らんでいる。

その後曲折を経て2兆ドルまでゆっくりと回復した背景としては、仮想通貨の爆発的な増加も挙げられる。コインマーケットキャップが集計した仮想通貨は、昨年11月から約5000種類増えて1万8511種類になった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ガザ軍事作戦拡大 国連診療所などへの攻

ワールド

マスク氏、近く政権離脱か トランプ氏が側近に明かす

ビジネス

欧州のインフレ低下、米関税措置で妨げられず=仏中銀

ワールド

米NSC報道官、ウォルツ補佐官を擁護 公務でのGメ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 9
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 10
    トランプ政権でついに「内ゲバ」が始まる...シグナル…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 9
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 10
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中