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自由で楽しそうだけど...「ライター」って実際、どれくらい稼げるの?

2021年12月8日(水)19時13分
佐藤友美


肝心の原稿の分量ですが、
 1ページに写真が1枚。20文字の見出しと200文字程度のキャプションを数本書くだけ。原稿を書いている時間は10分程度といった天国ページもあれば
 2ページでマスカラ50本試し塗りみたいな、これ何地獄? 私、前世で何か悪さした?
みたいなページもあったりします。

こういう無間地獄的ページでは、リリースを見ながら商品名を正しく書くだけでも半日仕事になる上に、試し塗りした感想を50本全部書き分け、死んだ魚の目になります。こういう場合は1ページ10時間くらいかかったりすることもあります。

と、ここであげたのは極端な例ですが、実際のところ、天国ページだけとか、地獄ページだけといった企画はほとんどなくて、たとえば8ページの仕事を引き受けたら、最初の2ページは天国ページ、真ん中の4ページはまあ平均的なページで、最後の2ページが超絶細かい地獄ページみたいな配分だったりします。だいたいの場合は、おしなべてまあ今回も地球的な仕事だったよね、という感じに着地します。

ただ、ファッション誌に関しては、現在、休刊ラッシュが続いています。いま、ファッション誌の仕事だけで大きく稼ぐことは難しくなっています。ファッション誌を主戦場にしていたライターさんたちも、ウェブの仕事を受けたり、広告の仕事を受けたりして、ハイブリッドな仕事をしている人が多いと感じます。

急増するウェブライターのニーズ――ウェブ媒体の原稿料

ウェブ媒体の原稿料は、雑誌以上にばらつきが大きいです。ニュース系媒体のインタビュー記事でいうと、1本2万〜8万円くらいの間でしょうか。

文字数が多いインタビュー記事は、原稿料がやや高めに設定されていたりします。が、ことインタビューに関しては短いからラクというわけではなく、人を取材するための事前準備は文字数が多くても少なくても同じだけかかります。

さらに、インタビュー記事に関して言うと、長い原稿より短い原稿のほうがよっぽど技術が必要で難しいんですよね。それで原稿料が低いとなると、あきらかに割に合わない。ですから、ベテランになると、短い&安いインタビュー記事の原稿は引き受けず、ロングインタビューだけを引き受けるという人も多いです。

インタビュー仕事は、事前準備も時間がかかりますし、原稿を書くにもそれなりに時間がかかります。事前準備、取材、執筆で、最速でも10時間はかかるでしょう。やみくもに本数を増やすのは難しいとなると、単価を上げる他ない、となります。

ただ、同じ文字数のインタビュー原稿でも、オウンドメディアや広告関係のライティングは、原稿料が倍以上に跳ね上がることもあります。ウェブを主戦場にしているライターさんたちは、こういった企業系の原稿を差し込みながら、収入を安定させている人が多い印象です。

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