最新記事

スター・ウォーズ

「ミレニアム・ファルコン」を作った日本人、「地道」に進んだ成功への道

2021年10月12日(火)18時47分
flier編集部

スター・ウォーズの衝撃

── 初めて映画「スター・ウォーズ」をご覧になったときのことは覚えていらっしゃいますか。

よく覚えています。高校1年生でした。封切りになった『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』は当時として画期的な撮影技術が駆使されていて、オープニングから心を奪われました。

それまでの特撮は、見たものを自分の頭の中で本物に変換しながら楽しむというものでした。例えば、ピカピカの飛行船をピアノ線で吊って、火薬をパーンと爆発させるといったシーンなどは、いかにも「おもちゃ」感があったんです。

ところがスター・ウォーズは、それまでの日本で触れてきたテレビの特撮や映画にはない、見たものがそのまま本物に見えるという完成度で、本当に仰天しました。

カメラワークも、自分が実際に宇宙船に乗って操縦していると錯覚するような、素晴らしいテクニックでした。

211009fl_nrt03.jpg

Masataka Narita

── それでも一番好きな映画はスター・ウォーズではなく、オードリー・ヘプバーンが出演する『シャレード』だと伺いました。

そうなんです(笑)。よく勘違いされるのですが、スター・ウォーズの制作に携わりたくてこの業界に入ったわけではなく、映画が大好きだったのでこの世界に入りました。と言うのも、私が転職を決意した時、スター・ウォーズはいったん完結していました。業界に入って数年後にスター・ウォーズがリブートすることになり、たまたま出会ったという流れです。

洋画ではその他、『ライトスタッフ』、『愛と追憶の日々』、『ティファニーで朝食を』をよく観ます。邦画は『七人の侍』、『椿三十郎』、『隠し砦の三悪人』など黒澤映画は大好きで、自分が落ち込む時によく観返します。降旗康男さんの『駅 Station』や山田洋次さんの『男はつらいよ』シリーズもお気に入りです。

── 最も感銘を受けた書籍は何ですか。

初めて夢中になって読んだのは、今でもよく覚えている3つの作品、モーリス・ルブランの『奇巌城』(きがんじょう)、コナン・ドイルの『失われた世界』、ヘンリー・ハガードの『ソロモン王の洞窟』です。カラーの口絵に惚れまして、幼心にわくわくしながら相当読み込みました。それで、本が好きになったというのはあります。

中学生になると、吉川英治の『宮本武蔵』にはまりました。孤高の人物として憧れを抱きましたね。

高校に入ってからは、『高層の死角』など森村誠一の作品を繰り返し何度も読み返しました。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ポーランド大統領、トランプ氏と私的に会談 NYで

ビジネス

訂正(発表者側の申し出)トヨタ、プリウス生産を当面

ビジネス

お知らせ=重複記事を削除します

ワールド

米下院、ウクライナ・イスラエル支援法案20日にも採
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 5

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 6

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 7

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 8

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    対イラン報復、イスラエルに3つの選択肢──核施設攻撃…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中