「ミレニアム・ファルコン」を作った日本人、「地道」に進んだ成功への道
成田昌隆氏 Masataka Narita
<「スター・ウォーズ」のCG制作者・成田昌隆氏は、45歳で証券マンから映像の世界に転身。決して順風満帆だったわけではない挑戦を振り返る>
※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。
23年間勤めた会社を辞め、背水の陣で夢へとひた走る――。誰にでもできる芸当ではありませんが、本書『ミレニアム・ファルコンを作った男』の著者、成田昌隆さんはそれを見事に成し遂げてきました。
大手証券のニューヨーク事務所長から、CGアーティストへと転身したのは45歳のとき。うまくいく確信はなかったものの、一途に自分を信じ、成功を掴み取りました。そこに至るまでの苦悩や挫折、葛藤が本書には凝縮されています。
今回、本書に込めた思いや今後の展望についてインタビューで伺いました。いつか手が震えて作業できなくなる日が来るまではモデリングを続けたいという成田さん。静かで落ち着いた語り口の半面、語られる言葉はエネルギーに満ち溢れていました。
地道な努力
── このたびは『ミレニアム・ファルコンを作った男』の刊行、おめでとうございます。ご著書にはどのような思いを込められましたか。
ありがとうございます。これは『スター・ウォーズ』のCGアーティストによる舞台裏の秘話ではありません。人生半ばにして一念発起し、憧れていた職業に就くという一連の過程を、忠実に描きました。「この人はこういうやり方で夢を叶えたんだ」という参考にしていただければという思いで、半生を振り返りました。
これまでNHKの番組や各種メディアにも取り上げていただきましたが、紙幅の関係などで、うまく成功した結果を強調してかっこよく編集してくださり、「すごい人」のように映っていました。ただ、そうした印象だと「そんな人生、私には無理」と思われてしまいそうです。「そんなことはありません」とお伝えしたかったのが本書です。
読んでいただければ分かるのですが、私は決して飛び抜けた才能や大志があったわけではありません。小さい頃からの夢を抱き続け、地道にコツコツ長い年月をかけ、挫折を経て、本当にいろいろな人の助けを借りながら夢を実現できました。それを知っていただければ、より多くの人の夢の実現をお手伝いできるかなと思いました。
そうした、番組や記事で描かれていない葛藤や苦悩も含めて、一人の人間が悪戦苦闘する様子を、自伝的に網羅して書かせていただきました。
── どういった方々を読者層として想定されていますか。
これから就職を考えている方やお仕事に悩みを抱えている方、何かやりたいことや再チャレンジしたいことがあるものの一歩を踏み出せない方など、幅広く読んでいただきたいですね。年齢的には20~50歳代を念頭に置いて執筆しました。
『ミレニアム・ファルコンを作った男』
著者:成田昌隆
出版社:光文社
flierで要約を読む