世界で導入が進む「週休3日制」 コロナ禍が後押しするサステイナブルな労働
一方、デンマークのオシェーレト市は3年間の実験的取り組みの一環として、300人の職員を対象に給与を全額払って週休3日制を導入し、一定の成果を上げている。
オシェーレト市の幹部によると「金曜日が休みになって大騒ぎだった」。「3日間働かなくてもいいと、心理的に何らかの影響がある。(働く)4日間のためにたっぷりエネルギーがもらえる」と述べた。「普通」に戻る予定はないという。
素晴らしいスタート
スペインでは産業省が、給与を下げずに労働時間を短縮することを目指す5000万ユーロの試験的プロジェクトを検討している。
先のマドリード地方選挙で17%の票を獲得した新興左派政党マスパイスが中央の左派連立政権にこのプロジェクトの採用を働きかけている。
同党はこのプロジェクトを、労働時間短縮が生産性や収益性に与える影響を調べるための実験と位置付けている。
アンダルシアに拠点を置くソフトウエア・エル・ソルは減給のない週休3日制に移行済みで、この試験的な取り組みの開始後に人員を15%増やした。
マーケティングディレクターのペドロ・コルテス氏によると「売上高が20%増えて、欠勤率は大幅に下がった。生産性だけでなく、顧客や従業員の満足度も上がっている」という。
アイスランド、スコットランド、スウェーデンに拠点を構える旅行会社、ノルディック・ビジターは、週労働時間を40時間から35時間に短縮したところ従業員の満足度が向上し、病欠が減り、利益が増えた。
ニュージーランドの不動産プランニング会社、パペチュアル・ガーディアンは、2018年に試験的に始めた週休3日制を恒久化すると、生産性が急激に高まり、欠勤が減少した。
ドイツ最大の労働組合は3月に主要な工業地帯で賃金協定に合意し、一部の労働者が大幅な収入減なしに週休3日制に移行できるようになった。ニュージーランドでは日用品大手のユニリーバが現地の全従業員を対象に週休3日制の試行を開始した。
日本ではみずほが約4万5000人の従業員に週休3日か週休4日を選べるようにしている。マイクロソフトでは昨年、日本の従業員2300人に金曜日の休暇を与えたことで生産性が40%向上したという。
オシェーレト市の幹部は「もちろん仕事を見直す上での課題はあるが、それはこれまでもあった」と述べた。金曜日が休日になるのは「本当に素晴らしく」、職員は制度の継続を望んでいるという。
(Clara-Laeila Laudette記者、Belén Carreño記者)
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