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新型カローラ、3ナンバー化で2万台突破の意味 新規顧客獲得の影で長年のファンは......

2019年12月20日(金)18時00分
御堀 直嗣(モータージャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載

2万2000台の内訳は、4ドアセダンが約5400台、ステーションワゴンが約1万3700台、カローラスポーツが約3000台となっている。そのうち、4ドアセダンとステーションワゴンの購入者の約4割は旧カローラからの代替であり、残りの6割がほかの車種や他銘柄からの乗り換えとなっている。

より大柄な車種からのダウンサイジングの意向を持つ人もその中にあるようだ。この先トヨタは、より若い年齢層や新規顧客の開拓に期待をかけているようでもある。

長く選ばれるクルマであるために

12代目「カローラ」の中核グレード「HYBRID S」

12代目「カローラ」の中核グレード「HYBRID S」(写真:トヨタ自動車)

昨年、発売されたカローラ スポーツを含め2万2000台という衝撃的な受注台数は、顧客層が変わっていくことを示しているのではないか。しかし、「もっといいクルマづくり」だけではない、大衆車として「身近な存在」という価値もカローラにはあったはず。

そうした何かが失われた可能性が、新型カローラにはある。これまでカローラを購入し、支えてきたロイヤルカスタマー(優良顧客)が離れていく予兆であるとも言えそうだ。

新規の購入者は、ブランドや歴史にこだわりはなく、はやりやそのときの風潮で別のメーカーや車種に移ってしまう可能性がある。そうした市場で、長く選ばれるブランドであるためには、一過性の価値ではなく、信頼や愛情を心に覚える車種・ブランドである必要があり、それが豊田章男社長のいう「愛車」の意味ではないだろうか。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。
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