アマゾンが支配する自動化社会というディストピア
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それでも、昨年12月の買い物シーズンを前にアマゾンが雇った臨時従業員の数は、前年より2万人も少ない10万人だった。アマゾンの広報担当者は、減少した原因は自動化ではないと主張しているが、誰も納得していない。
金融大手モルガン・スタンレーのアナリスト、ブライアン・ノワックは最近のレポートで、賃金上昇に対するアマゾン株主の不安を和らげるため、自動化で労働者の雇用数は減っているから全体的なコストは下がると指摘した。
コロンビア大学のホッド・リプソン教授(機械工学)はクリエーティブ・マシン研究所でマシンの訓練
をしている。目的は優れた反射神経を持ち、好奇心旺盛で、台所でも創造性を発揮できるようにマシンを育てることだ。
取材に行くと、彼は調理マシンを調整してペーストやジェル、パウダーその他を材料にした素敵な一品を作ろうとしていた。
ミシュランの3つ星シェフに負けない料理ができそうですね、と筆者が言うと、教授はうめいた。自分のような科学者やエンジニアには、あらゆる困難な作業を自動化したいという果てしない衝動があると彼は言う。エンジニアリングの本質は、煩わしさを軽減し、生産性を高めることだ。過去にはそれが正しかった。でも、今は確信を持てないという。
「オートメーションとAIは、人間の仕事の大半を奪うだろう」と、彼は言う。「私たちが生きているうちではないかもしれないが、孫の時代にはそうなる。これは人類の歴史における新たな状況であり、まだ覚悟ができていない。自分では準備ができていると思うかもしれないが、実際は違う」
<本誌2019年5月21日号掲載>
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