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米国アパレルで閉店・倒産の嵐、生き残る3つの「新カテゴリー」

2017年9月15日(金)16時15分
山田敏夫(ファクトリエ代表)※東洋経済オンラインより転載

そして、3つ目のキーワードが、「クラフトマンシップ」です。この火付け役となったのは、"感覚に敏感な者"という意味を持つヒップスターたち。ヒップスターの聖地といわれるブルックリンから「丁寧に作られたものを長く大切に使う」という価値が見いだされ、ほかの州にも徐々に影響を与え始めています。

代表的なブランドとして挙げられるのが、デトロイトの自動車メーカーから転身を遂げた「シャイノーラ(SHINOLA)」。アメリカの製造業を守るという理念を掲げ、商品はすべて国内で製造しています。職人たちがハンドメイドで生み出す腕時計は、バラク・オバマ前大統領も愛用するほどのクオリティ。今では自転車や革製品、文具、洋服などの製造も手掛けており、ラインナップは年々増えていくばかりです。

「シャイノーラ」の店内には工房があり、買ったアイテムにその場で刻印を押してくれるサービスもあります。私がニューヨークの店舗を訪れたときも、多くのお客さんが興味深げに職人さんの作業を見つめていました。

今回ピックアップした3つのカテゴリーは、必要なモノやサービスに満たされた成熟社会において、どれも精神的豊かさという本質的な価値をもたらしていくものといえます。今はトレンドとして認識されていますが、私はブームの移り変わりや志向性の変化によって淘汰されることはないと推測しています。トレンドがカルチャーに昇華していくプロセスを、今後も追っていきたいと思っています。

※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。
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