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中国市場への明るい見通し堅持、米消費関連企業

中国の成長減速や株安が懸念される中、米消費関連企業の多くは、中国市場の力強い需要に注目している

2015年7月24日(金)13時11分

写真は、中国国旗、1月撮影(2015年 ロイター/Aly Song)

[ニューヨーク 23日 ロイター] - 中国の成長減速や株安が、米企業の利益に大きな打撃を与えるのではないかと懸念され、実際に一部の業績には影響が出てきた。それでも消費関連企業の多くは、中国市場の力強い需要を引き合いに出して明るい見通しを堅持している。

痛手が顕著なのは中国のインフラ投資に依存するユナイテッド・テクノロジーズやキャタピラーなどで、第2・四半期業績は悪化し、見通しを引き下げた。

一方でユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス、アップル、ゼネラル・モーターズ(GM)などは楽観的な見方を変えていない。

ハーレー・ダビッドソンに至っては、21日に第2・四半期にアジア太平洋地域の売上高が16.6%増加したと発表した後、株価が昨年10月以降で最大の上昇率を記録した。同社によると、中国とインドの堅調な需要が増収につながった。

フォート・ピット・キャピタル・グループのシニア株式調査アナリスト、キム・フォレスト氏は「企業ごと、製品ごとに状況を見ていく必要がある。なぜなら一部の製品や企業は、代わりが存在しないからだ。ハーレー・ダビッドソンにとってはこの点が好材料になっている」と指摘した。

米国の航空会社としては他社より中国便が多いユナイテッド・コンチネンタルは、中国は引き続き良い投資先だと主張。ジム・コンプトン最高レベニュー責任者は「需要はなお伸びている」と語った。

GMも6月の中国の販売台数が横ばいにとどまったにもかかわらず、23日の決算発表時には中国でしっかりした収益力を維持していくとの見通しを示した。

フォレスト氏がハーレー・ダビッドソンに関して言及したブランド力が、同じようにアップルの中国における売上高を押し上げ続けるかもしれない。

アップルの中国売上高は過去1年で112%増加しており、向こう1年で中国に40店を開設する計画という。

同社のルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は「中国はわれわれにとっては素晴らしいというしかない。(成長に向けた)長大な滑走路が存在しているという感覚がある」と話した。

(Chuck Mikolajczak、Lewis Krauskopf記者)

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