ギリシャ、デフォルト後に何が起こるか
資本規制、支援凍結、国債のデフォルト、予想されるシナリオとは?
6月17日、ギリシャ政府はIMFから受けた16億ユーロの融資を月末までに返済する必要があるが、国際債権団から新たな融資を獲得できない場合、デフォルト(債務不履行)になる可能性が高い。アテネで17日撮影(2015年 ロイター/Yannis Behrakis)
[ブリュッセル 17日 ロイター] - ギリシャ政府は6月30日、国際通貨基金(IMF)から受けた16億ユーロの融資を返済する必要があるが、国際債権団から新たな融資を獲得できない場合、デフォルト(債務不履行)になる可能性が高い。
そうなればユーロ圏離脱も現実味が増す。以下、IMFへの返済ができなければ、どのような展開が予想されるのか、シミュレーションしてみた。
<1.即座にデフォルト認定、資本規制>
関係筋によると、IMFは返済に猶予期間を与えていないため、期限までに返済できなければ、即座にデフォルトと見なされるという。
デフォルトと認定されれば、ギリシャやユーロ圏全体の金融市場が動揺、ギリシャの銀行から預金流出が加速する。資本流出に歯止めをかけるため、ギリシャは資本規制の導入を余儀なくされるかもしれない。
<2.ECBが緊急流動性支援を制限・凍結>
次の問題は、欧州中央銀行(ECB)がデフォルト後もどの程度の期間、ギリシャの銀行に対する緊急流動性支援(ELA)を承認し続けるのかという点だ。ELAの一部はギリシャ国債が担保になっている。
ECBは毎週会合を開き、ELA枠について協議している。枠はこれまで段階的に引き上げられ、現在は約841億ユーロになっている。
ギリシャがデフォルトになればELAを凍結、もしくは枠を縮小する可能性がある。もしくは、ギリシャの銀行が差し入れる担保に適用する「ヘアカット(担保価値の削減率)」を引き上げるかもしれない。
<3.ECB保有のギリシャ国債がデフォルト>
7─8月はECBが保有する68億ユーロのギリシャ国債が満期を迎える。ギリシャがIMFへの返済を見送った後も、ECBがギリシャ銀への限定支援を続けていたとしても、ECB保有のギリシャ国債がデフォルトになれば、資金供給停止への政治圧力が高まるのは必至だ。