ニュース速報
ビジネス

アップル、iPhone空輸作戦 トランプ関税対応で印から米へ150万台

2025年04月11日(金)08時16分

4月10日、 米アップルは、トランプ大統領の関税政策への対応策として、貨物機をチャーターしてインドから600トン(150万台相当)の「iPhone」を空輸している。写真はワシントンのアップル施設前で2019年5月撮影(2025年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)

[ニューデリー 10日 ロイター] - 米アップルは、トランプ大統領の関税政策への対応策として、貨物機をチャーターしてインドから600トン(150万台相当)の「iPhone」を空輸している。複数の関係者がロイターに明かした。

これまでアップル製品の主な製造拠点となってきたのは中国だが、トランプ氏は追加関税を累計で145%まで引き上げている。そのためアナリストは米国でのiPhoneの販売価格が急騰する恐れがあると警告していた。

一方インドからの輸入品に適用される上乗せ関税率は26%と大幅に低い上に、発動は90日間停止された。

こうした中で関係者の1人はアップルによるインドからのiPhone空輸について、同社が「関税(という逆風)に打ち勝とうとした」と説明した。

関係者によると、アップルはインド南部チェンナイの空港において通常なら30時間かかる通関手続きに関しても、6時間に短縮できるよう当局に働きかけたという。

3月以降、100トン積みの貨物機6機が米国に飛来し、直近の便は今週到着したとされる。

ロイターの計算に基づくと、運ばれてきたiPhoneの「14」と充電ケーブル1組の重さは約350グラムなので、合計輸送量は600トンになる。

アップルは世界全体で年間2億2000万台のiPhoneを販売。カウンターポイント・リサーチの試算では、現在は米国に輸入されるiPhoneの2割がインドから、残りは中国からだ。

ただアップルは中国以外に生産拠点を分散化する取り組みを進めており、この面でインドを重視している。

関係者は、チェンナイでiPhoneを受託生産しているフォックスコン(鴻海精密工業)の工場では、増産に向けて日曜返上で稼働中だと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均は続伸、米関税への過度な警戒が緩和 自動車

ビジネス

午後3時のドルは143円前半で上値重い、米関税の警

ビジネス

村田製作所、米で5000万ドル規模のベンチャーキャ

ワールド

NZと米のパートナーシップはなお重要、外相がハワイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトランプ関税ではなく、習近平の「失策」
  • 3
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができているのは「米国でなく中国」である理由
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    米ステルス戦闘機とロシア軍用機2機が「超近接飛行」…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中