最新記事

経済

韓国MERS感染拡大は格下げ要因

後手に回る感染症対策が、「ポジティブ」の格付け見直しに

2015年6月18日(木)15時01分

6月18日、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、韓国での中東呼吸器症候群(MERS)感染拡大は同国にとって「クレジットネガティブ」との見解を示した。ソウルで4日撮影(ロイター/Kim Hong-Ji)

[ソウル 18日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは18日、韓国での中東呼吸器症候群(MERS)感染拡大は同国にとって「クレジットネガティブ」との見解を示した。

ムーディーズは理由について、声明で「MERS感染拡大は、韓国の内需がすでに低迷するなかで消費者信頼感を悪化させ、初期段階の成長回復に水を差す恐れがあるため」と説明した。

また、MERS感染拡大による経済的な打撃に対処するための景気刺激策もクレジットネガティブの方向に働く可能性がある、とした。

韓国政府は18日、MERSに感染者3人が新たに死亡したと発表。5月の発生以来、死者は23人となった。 

韓国企画財政省は6月末までにMERSによる経済損失対策としての補正予算を編成するかどうかを決定する見通し。ムーディーズはその財源調達手段として、増税よりも国債発行となる可能性が高いとしている。

ムーディーズはまた、MERSの影響は比較的短期間で終わり、経済への打撃は限定的である可能性があるとの見方を示した。

ムーディーズは4月、韓国の発行体・優先無担保債の格付けについて「Aa3」を確認し、見通しは「安定的」から「ポジティブ」に変更した。


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2015トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

イオン、イオンモールとディライトを完全子会社化

ワールド

中国実弾演習、民間機パイロットが知ったのは飛行中 

ビジネス

中国の銀行、ドル預金金利引き下げ 人民銀行が指導=

ビジネス

日経平均は大幅反落、一時3万7000円割れ 今年最
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:破壊王マスク
特集:破壊王マスク
2025年3月 4日号(2/26発売)

「政府効率化省」トップとして米政府機関に大ナタ。イーロン・マスクは救世主か、破壊神か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 3
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身のテック人材が流出、連名で抗議の辞職
  • 4
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 5
    日本の大学「中国人急増」の、日本人が知らない深刻…
  • 6
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 7
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 8
    老化は生まれる前から始まっていた...「スーパーエイ…
  • 9
    【クイズ】アメリカで2番目に「人口が多い」都市はど…
  • 10
    令和コメ騒動、日本の家庭で日本米が食べられなくな…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 3
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映…
  • 6
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 7
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 8
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
  • 9
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 10
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中