中国の銀行、ドル預金金利引き下げ 人民銀行が指導=関係筋
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2月28日、複数の関係筋によると、中国の国内銀行が中国人民銀行(中央銀行)の指導を受けてドル建て預金金利を引き下げている。写真は中国人民銀行本店の外観。2022年9月、北京で撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
[上海 28日 ロイター] - 複数の関係筋によると、中国の国内銀行が中国人民銀行(中央銀行)の指導を受けてドル建て預金金利を引き下げている。
ドル預金の膨張に歯止めをかけ、人民元相場を下支えする狙いがあるとみられる。
ドル金利の高さや人民元相場の下落を背景に、本土の個人投資家や輸出業者が保有するドル預金は1兆ドル近くに達している。
関係筋によると、大手・中小を問わず、各地の銀行が過去数週間で人民銀行からドル預金金利を下げるよう指導を受けた。
東亜銀行は26日、ドル預金金利(2万ドル以上、1年物)を現在の4.4%から3月初旬に3.5%に引き下げると発表。南京銀行も今月、ドル預金金利(3000ドル以上、3カ月物)を1月時点の4.3%から2.1%に引き下げた。
中国国内のドル預金金利は、資本規制などの影響で海外より低いが、依然として人民元建て預金金利(3カ月物で1%前後)を上回っている。
人民銀行のデータによると、外貨預金残高は先月、2023年4月以来の高水準となる8924億ドルに達した。家計の外貨預金は前年比18%増の1461億ドル、企業の外貨預金は4519億ドル。
人民銀行は23年に5大国有銀行のみにドル預金金利の引き下げを要請し、上限を2.8%とした。大手5行が今回もドル預金金利の引き下げを求められたかは不明。